VIRGIN TRIUMPH | 【トライアンフ トラッカー400 試乗記】自由に、軽快に、そしてちょっとワイルドに! 試乗インプレッション

【トライアンフ トラッカー400 試乗記】自由に、軽快に、そしてちょっとワイルドに!

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TRIUMPH TRACKER400(2026)
トライアンフの400ccラインアップに、待望のニューモデル「トラッカー400」が加わった。フラットトラックレーサーを彷彿とさせるスタイリングは、シンプルでありながら存在感十分。軽快な車体と扱いやすいエンジン特性を武器に、街中からワインディングまで自由自在に駆け抜ける。登場したばかりのトラッカー400にじっくり触れ、その実力を確かめてみた。

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矢継ぎ早に投入される“400”の刺客
マーケットをさらに熱くするカンフル剤となるか!?

長年バイクメディア業界に身を置いてきたが、ここ10年ほどのトライアンフの勢いには、目を見張るものがある。

Moto2マシンへのエンジンサプライヤー参入によって一気に高まったスポーツイメージ。トライデント660を起点とするニュージェネレーショントリプルシリーズの成功。そして、伝統的なスタイルを守りながらも着実な進化を続け、多くのライダーに支持されてきたモダンクラシック群――。

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さらに近年は、ブランドの裾野を大きく広げる存在として400ccシリーズを投入。エントリー層のみならず、“ちょうどいいサイズ感”を求めるベテランライダーからも高い支持を集めるなど、新たな市場を切り拓いてきた。

もちろん、それだけではない。タイガーシリーズやロケット3といった強烈な個性を持つモデル群も含め、トライアンフは他メーカーにはない独自の世界観を着実に築き上げている。

その証拠に、街中やツーリング先でトライアンフの車両を見かける機会は、ここ数年で明らかに増えた。もはや“ちょっと洒落た英国車ブランド”という立ち位置を超え、日本市場にしっかり根を張った存在になりつつある。

そんなトライアンフが、今シーズン新たに送り出したのが、2台の400ccニューモデル、『トラッカー400』と『スラクストン400』だ。

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どちらも単なる派生モデルではなく、それぞれに明確なキャラクターとカルチャー性を持たせた意欲作。その中でも今回注目したいのが、フラットトラックカルチャーを色濃く感じさせるトラッカー400である。

果たして、このモデルは単なるスタイル提案に留まるのか。それとも、新たな400クラスの楽しさを提示する存在なのか。まずは、その成り立ちから見ていこう。

トライアンフ トラッカー400 特徴

オーバルトラックを駆け抜ける
シンプルだからこそ奥深い世界

この地球上で最も古いモーターサイクルレースは、1907年に始まったマン島TTとされている。一方、20世紀初頭のアメリカでは、馬や馬車の競技に使われていた未舗装のオーバルトラックを舞台にしたレースが盛んになり、後のフラットトラックレースへと発展していった。

コーナーへ進入すると同時にリアタイヤを豪快にスライドさせ、マシンを横向きにしながら立ち上がる。時にはライダー同士が接触することもあるほど激しく、それでいて高度なマシンコントロールが要求される競技だ。その迫力と分かりやすさから高い人気を獲得し、アメリカを代表するモータースポーツのひとつとして定着していった。

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1950年代にはAMAグランドナショナル選手権が発足し、フラットトラックは全米規模のカテゴリーへと成長。さらに時代が進むにつれ、その機能美あふれるスタイリングも注目を集めるようになる。余計なものを削ぎ落とした軽快なシルエット、アップライトなライディングポジション、そして「走ること」を純粋に楽しむ思想は、やがてストリートカルチャーにも浸透していった。

2000年代以降はレースシーンだけでなく、ファッションやカスタムカルチャーとも結びつき、フラットトラッカーはひとつのスタイルとして確立。そして2026年、その世界観を現代的に解釈したモデルとして登場したのがトライアンフ・トラッカー400なのである。

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トライアンフの400シリーズは、2024年にスピード400とスクランブラー400 Xがデビュー。扱いやすい単気筒エンジンとプレミアム感の高い車体構成によって、普通自動二輪免許層を中心に大きな支持を集めた。さらに2025年には、オフロード性能を高めたスクランブラー400 XCがラインアップへ加わり、シリーズの個性を広げている。

そして今回登場したトラッカー400は、単なる派生モデルではない。400シリーズが培ってきた扱いやすさをそのままに、フラットトラックカルチャーという新たな価値観を持ち込んだ意欲作だ。

果たしてその走りは、スタイリングから受ける期待に応えてくれるのだろうか。いよいよ実際に走らせてみることにした。

トライアンフ トラッカー400 試乗インプレッション

パワフルかつ扱いやすい
ストリートユースに適したパッケージ

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スピード400、スクランブラー400 X、スクランブラー400 XCと、これまでの400シリーズすべてに触れてきた経験があるが、いずれも快活なエンジン特性と高い運動性能を持ち合わせており、完成度の高いモデルであるという印象を抱いてきた。その流れを汲むトラッカー400に対しても、自然と期待は高まっていた。

実車を前にすると、400ccクラスとは思えない堂々とした車格が目を引く。身長177cmの私が跨っても窮屈さはなく、ディメンションのバランスは良好。シート高は805mmに設定されているが、シート形状がスリムなこともあり、数値以上に足つき性は良好だ。

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セルスターターでエンジンを始動し、軽い操作感のクラッチをつないで走り出す。低回転域から十分なトルクを発揮し、発進は実にスムーズ。ギアレシオも街乗りを意識した設定となっているため、ストップ&ゴーを繰り返す市街地でも扱いやすく、ライダーに余計な緊張を強いることがない。

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トラッカーという車名から未舗装路を積極的に走るモデルを想像する人もいるかもしれない。しかし実際のライディングポジションは、オフロード志向というよりもストリートスポーツ寄りだ。バーハンドルは比較的低めにセットされ、幅も抑えられている。さらにステップ位置もやや高めで、自然と上体が前傾する。その結果、狭い路地などでの切り返しや交差点の右左折、ワインディングでの切り返しなど、ライダーの意思に対して車体が素直に反応してくれる。

このあたりはフラットトラッカーをモチーフとしながらも、実際の使用シーンをストリートに置いて開発されたモデルであることを強く感じさせる部分だ。

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エンジンに目を向けると、3000〜5000rpm付近の日常使用域での完成度が非常に高い。穏やかな出力特性でありながら十分なトルク感があり、市街地でも郊外路でも扱いやすい。必要な時にはしっかり加速し、それでいてライダーを急かさない。この親しみやすさこそが400シリーズ最大の魅力だろう。

一方で6000rpmを超えたあたりからは、それまでの穏やかな表情とは異なる一面を見せ始める。ライダーには明確な鼓動感と振動が伝わり、エンジンはより活発なフィーリングへと変化していく。現代的な洗練だけではなく、どこかオールドスクールなシングルレーサーを思わせる味付けが残されているのだ。

人によってはこの領域を荒々しいと感じるかもしれない。しかしトラッカー400というモデルにおいては、それが不思議とキャラクターにマッチしている。フラットトラックマシンをルーツに持つスタイルと相まって、機械を操っている実感をしっかりと味わわせてくれるのである。

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高速道路を利用して郊外へと足を延ばしてみる。

足まわりは前後ともに不要なフワつきがなく、しっかりとした剛性感を感じさせるセッティングだ。決して柔らかさを前面に押し出した乗り味ではないが、そのぶん速度域が上がっても車体の動きは落ち着いており、ライダーに安心感を与えてくれる。

ブレーキにはブレンボ傘下のバイブレ製システムを採用。初期制動から強烈に効くタイプではなく、レバー入力に応じてリニアに減速力が立ち上がる設定となっている。これがトラッカー400のキャラクターと非常によく調和しており、コーナー進入時の速度調整も行いやすい。

さらに前後17インチホイールがもたらす軽快なハンドリングも大きな魅力だ。倒し込みは自然で、ライダーがイメージしたラインを素直にトレースしてくれる。

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コーナー手前でしっかり減速し、クリッピングポイントを過ぎたところからスロットルを開けていく。そんな基本に忠実なライディングを行うほど、このモデルの良さが見えてくる。派手な電子制御や突出したパワーで楽しませるのではなく、ライダー自身の操作によって気持ち良く走らせる。そんなバイク本来の楽しさを思い出させてくれる一台なのである。

トラッカー400を数日間にわたり連れ出し、ストリートクルーズからショートツーリングまでさまざまなシチュエーションで走らせてみた。

何より魅力的だったのは、そのスタイリングだ。街中に停めているだけでも絵になり、走らせれば視線を集める。フラットトラッカーの世界観を現代的に再構築したデザインは、所有する喜びをしっかりと与えてくれる。

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また、大型バイクを日常的に乗り継いでいる私の視点から見ても、この気負わず付き合えるサイズ感と十分なパフォーマンスは非常に魅力的だった。軽快で扱いやすく、それでいて安っぽさはまったく感じない。

普通自動二輪免許で乗ることができるモデルでありながら、細部の作り込みや質感には上級モデルにも通じるプレミアム感が息づいている。だからこそ、免許を取得したばかりの若いライダーはもちろん、再びバイクライフを始めたいリターンライダーにとっても満足度の高い選択肢となるだろう。

近年、市販トラッカーモデルの選択肢は決して多いとは言えなかった。しかしトライアンフは、このトラッカー400によって新たなカテゴリーの魅力を提示してみせた。

スタイルだけでは終わらない。走らせればしっかりと楽しく、日常の足としても使いやすい。そして何より、乗るたびに少し気分を高揚させてくれる。トラッカー400は、そんなバイクだった。

なお、2026年6月28日まで全国の正規ディーラーでは「トライアンフ400ccフェア」を開催中。試乗車が用意されている店舗も多く、特典も用意されている。気になった方はぜひ実車に触れ、この独特な魅力を自ら体感してほしい。

トライアンフ トラッカー400 詳細写真

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398cc水冷DOHC4バルブ単気筒エンジンを搭載。最高出力42PS、最大トルク37.5Nmを発揮し、日常域では扱いやすく、回転を高めればスポーティな表情も見せる。トライアンフらしい上質感と軽快な走りを両立したパワーユニットだ。
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リアまわりはスチール製スイングアームとモノショックを組み合わせる。17インチホイールを採用し、トラッカースタイルらしい軽快な運動性能を実現。足まわりはしっかりとした剛性感があり、高速域でも安定した走りを支えてくれる。
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アナログタイプのスピードメーターと液晶ディスプレイを組み合わせたメーターパネル。速度表示を中心に各種車両情報を視認しやすくレイアウトしている。クラシカルな雰囲気と現代的な機能性を両立したデザインが特徴だ。
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フューエルタンク容量は13リットル。フラットトラッカーをイメージさせる専用デザインが採用され、車体の存在感を高めている。カラーバリエーションはシルバー、イエロー、ブラックの3色。どの色も高い存在感を放つ。
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テールセクションはシート下にショートフェンダーを配置することで軽快感を演出。リアまわりをコンパクトに見せることで、フラットトラッカーらしいシンプルかつスポーティなシルエットを実現している。
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サイレンサーは単気筒エンジンながらダブルエンドタイプを採用。ヒートガードも装備し、デザイン性と実用性を両立している。やや上向きにセットされたレイアウトがスポーティな印象を強調する。
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シート高は805mmに設定。標準でシングルシートカバーが装着されており、トラッカーらしいスタイリングを演出する。カバーは簡単に取り外しが可能であり、もちろんタンデム走行も楽しむことができる。
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フロントマスクは丸形ヘッドライトを中心としたクラシカルなデザイン。内部にはLEDデイタイムランニングライトを組み込み、現代的な表情を与えている。さらに専用ショートスクリーンも備え、高速走行時の快適性向上にも貢献する。
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フロントには倒立フォークを採用し、足まわりの剛性感を確保。タイヤは17インチサイズを装着し、オンロードでの軽快なハンドリングを実現している。ブレーキにはバイブレ製シングルキャリパーを採用し、コントロール性にも優れる。
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ステップ位置は比較的高めかつ後方寄りに設定され、ロードスポーツモデルを思わせるライディングポジションを形成。ヒールプレートも装備されており、コーナリング時のホールド性や操作性を高めている。
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ハンドルバーはトラッカースタイルながら極端にワイドではなく、比較的コンパクトな幅に設定されている。位置もやや低めで、自然な前傾姿勢を生み出し、ストリートやワインディングで軽快な操作感をもたらす。
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シート脱着用のキーシリンダーは、車体左側のゼッケンプレート裏に配置。外観をすっきり見せながらメンテナンス性にも配慮された設計で、日常的な車載工具や電装品へのアクセスも容易に行える。
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USB充電ソケットをメーターディスプレイ右側に装備。スマートフォンやナビゲーション機器などの電源確保が可能で、ツーリング時の利便性を高めている。現代のライダーに欠かせない装備のひとつだ。
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シート下にはバッテリーやチャコールキャニスターなどを効率よく配置。スペースはほぼ車体構成部品で占められており、収納力は期待できないが、そのぶんコンパクトな車体デザインの実現に貢献している。

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