VIRGIN TRIUMPH | 2023年モデルのトライアンフ スピードマスターを試乗インプレッション!老若男女誰にでも触れてほしい一台 試乗インプレッション

2023年モデルのトライアンフ スピードマスターを試乗インプレッション!老若男女誰にでも触れてほしい一台

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TRIUMPH SPEEDMASTER(2023)
トライアンフのモダンクラシックラインであるボンネビルシリーズの中で、アメリカンクルーザースタイルを色濃く打ち出しているスピードマスター。パワフル且つスポーティ、そして快適という三拍子が揃った一台だ。

長き時代に渡りつながれてきた
トライアンフ・スピードマスターの歴史

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今から遡ること半世紀以上前の、1950年~60年代のこと。バーチカルツインエンジンを搭載するトライアンフをベースとしたクルーザーライクなチョッパーカスタムが北米大陸の一部で流行り出した。当時はどちらかというとスポーツモデルをメインとした開発生産に力を入れていたトライアンフ社ではあったが、ユーザーや今で言うところのカスタムビルダー的な人々の手によって、クルーザースタイルやチョッパーが作られていたのだ。

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それからのトライアンフは紆余曲折を経た後、90年代にヒンクレー工場を設立し新生トライアンフとなる。それから現在に続いているというのが大きな歩みであるが、2001年にボンネビル アメリカというモデルが登場する。そう、これは先述した北米での流行に端を発し、世界中に広まったトライアンフクルーザーをオマージュしたモデルだったのだ。それから派生したボンネビル スピードマスターが2003年に登場。これもまたトライアンフを代表するクラシックとなり、血脈を繋げてゆくこととなった。今回はその最新モデルを紹介してゆこう。

トライアンフ スピードマスター 特徴

ボンネビル ボバーからの派生、
今最も注目すべきクルーザーモデル

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2003年に登場した初代スピードマスターと現行モデルを比べると、見た目こそ両車クルーザースタイルではあるものの、実は内容が大きく異なるものとなっている。初代モデルは当初790ccエンジンを搭載しており、その後865ccに排気量を拡大していた。2018年には大々的なフルモデルチェンジが行われ、現在の1200ccエンジンとなる。

以前はツインショックフレームだったのがハードテイルスタイルとされているほか、タイヤサイズはF18/R15インチからF16/R16インチとされディメンションも大きく異なるものとなっている。そして初代モデルのコンセプトがドラッグレーサー風なものだったのに対し、クラシッククルーザースタイルに纏められているのだ。

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スピードマスターというイニシャルにまつわる話なのだが、そもそも初代モデルはクラシッククルーザータイプとして登場したボンネビル アメリカをベースにホットロッドカスタムにアレンジしたモデルであり、現在のスピードマスターはというと、2016年に登場したボバースタイルで纏められたファクトリーカスタムであるボンネビル ボバーから派生したモデルということになる。つまりスピードマスターの登場にはいつもベースとなるモデルがあり、それと相反するスタイルで纏められていたというように私は個人的に解釈をしている。

よって、トライアンフのスピードマスターだとひとことで言っても、その時代ごとに車両の印象、感触は結構違うのである。そうした部分も踏まえながら、最新のスピードマスターに触れていきたいと思う。

トライアンフ スピードマスター 試乗インプレッション

多くのライダーが扱いやすく思う
ナチュラルなポジション

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クラシッククルーザースタイルで纏められた現行スピードマスターを目の前にすると、初代スピードマスターとは大きく異なる印象ではあるものの、なんだか落ち着いた気分になった。それは兄弟モデルとも言えるボンネビル ボバーがカスタムライクなスタイリングで尖った雰囲気に対して、オーソドックスな雰囲気でコーディネートされているからかもしれない。

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車体に跨るとまずはシートが低く抑えられていることがすぐに伝わってきた。そしてハンドル、ステップ、シートの位置関係が良く、コンパクトで自然な体勢となるライディングポジションとされており好感を持てた。エンジンを始動し走り出す。車体の動きが軽い。車重は264キロと結構な数値であるにも関わらず、ライトなタッチですいすいと泳ぐように走らせることができる。これは前後16インチというやや小径なタイヤセットであることや、先述したようにコンパクトなポジションとなっていることもあるが、重心が低く抑えられていることが大きな要因といえよう。であるからして、ビギナーや体格の小さなライダーでも楽しく走らせることができることだろう。

なお、車体の動きが軽いということになると、えてしてチープな印象を持たれやすいものだが、決してそんなことはなく、むしろ重量のある車体を手足のように扱えるよう上質なチューニングが施されていると考えてもらえれば良い。

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1200ccのビッグボアツインエンジンということもあり、低回転域から野太いトルクを発生する。オーナーになった際、特に回転数など気にせずに乗ることだろうが、シングルメーター内の液晶インフォメーション部分で回転数を表示させながらテストライドを行っていたところ、2500回転も使えば日常的に事足りてしまう。それどころか結構なパンチ力を楽しめる。5000回転以上引っ張って走ることもできるが、スピードマスターのキャラクターではないかもしれない。むしろ低回転のトルクを楽しみながらクルーズすることが心地よいのだ。

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高速道路でもフルスロットルで爆走するのではなく、淡々と走らせるのが良い。そしていざという時に、隠した牙を現すというのがスピードマスターの作法といえよう。

ワインディングロードでも想像以上の運動性能を見せてくれたが、深いコーナーをパスして行くような道よりも、スラローム的なステージの方が俄然楽しい。気持ち前傾姿勢を取り、ハンドルの間から視界を覗かせながら、左右に振り回して走らせていると、まるで小型飛行機の操縦をしているかのような感覚を得られる。

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一通りテストライドを行ってから、ふとスピードマスターを見ると、なんとも格好良く目に映った。トライアンフのモダンクラシックラインには様々なモデルがありどれも魅力的ではあるが、その中でもスピードマスターは長く付き合うことができそうな予感がした。

トライアンフ スピードマスター 詳細写真

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ボアストロークを97.6×80mmとする1200cc水冷SOHC並列2気筒エンジン。270度クランクとされツインならではの鼓動感を得られる。4000回転で最大トルク106Nmを発生させる。
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フロントタイヤサイズはMT90B16と、ワイドかつ小径なもの。ハンドリングはフロント依存が高めの印象だが、切り返しは軽く、扱いやすい。ブレーキは310mmの大径ディスクをダブルで備え、ブレンボ製2ピストンキャリパーをセットする。
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クラシカルな丸型ヘッドライトケースに、LEDのデイタイムランニングライトをインサート。トラディショナルとモダンを上手く掛け合わせたフロントセクションのデザインとなっている。
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リアフェンダーは短くチョップされ、その上にテールランプやナンバーステーが備わっている。他のモダンクラシックラインとは異なった印象を受ける特徴的なテール周りのデザインだ。
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ハードテイルスタイルのスイングアームに、150/80R16サイズのリアタイヤを組み合わせる。32本のワイヤースポークホイールの採用もスピードマスターの特徴のひとつとなっている。
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イグニッションキーシリンダーは車体の右側に備わっている。これによりハンドル周りはすっきりした印象だ。なおハンドルロックのためのキーシリンダーはメインフレームのネック部分にある。
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タンク容量は12リットル。テストに使用した車両は子持ちライン付きのツートーンカラーで191万4600円。ブラックは187万5000円、マルーン190万1500円となる。
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すっきりとしたシンプルなコクピット。ハンドルバーは若干ライダー側に曲げられており、自然なポジションを取ることができる。グリップはクラシックな樽型を採用。
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縁にパイピングが施されたシート。ライダー側の高さは705mmと抑えられており、足つき性は良好。座り心地も良く長時間ライドも快適。タンデムシートも厚手で、パッセンジャーも喜ぶことだろう。
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ステップ位置は若干フォワードコントロール気味に見えるが、実際に足をのせてみると、実に自然な場所にある。シフトロッドが長いが、ギアチェンジのタッチも良かった。
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シンプルなシングルメーター。スピードメーターをメインとし、液晶パネルに残燃料計、シフトインジケーター、ライディングモード、そして時計、走行距離、タコメーターなどを表示することができる。
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ライダー側のシートを外すと、リアショックが顔を出す。プリロード調整可能なモノショックで、リンクを介してセットされている。なおテスト車両には、オプションの小さなサイドケースが装着されその中にETC本体が入れられていた。

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