VIRGIN TRIUMPH | T140ボンネでスタートしたトラ最速レーサーへの道 vol.04 小沢 和之さんのコラム

T140ボンネでスタートしたトラ最速レーサーへの道 vol.04

  • 掲載日/2015年01月16日
  • 写真・文/小沢 和之(ライター)

ワタシがかつて難関中の難関だった自動2輪の限定解除に見事合格したのが1982年の事。とにかくすぐにナナハンに乗りたくて、取得当日に福生のバイク店でヤマハのGX750を購入したのですが、これがなぜかしっくり来なくて即下取り、そしてトライアンフT140ボンネビル購入となりました(そのクダリはVol.01をご参照ください)。

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大型以前、原チャ・中型バイクに乗っていた頃の愛読雑誌と言えば『月刊オートバイ』と『Mr.バイク』でしたが、愛車がトライアンフになってからはもっぱら『別冊モーターサイクリスト』が日々の友となりました。もちろん、大人チックでマニアックな別冊と言えども毎号英車の記事が掲載されているワケではないですが、圧倒的に他誌よりもその情報量が豊富で毎号発売日を楽しみにしていました。

なかでもこの雑誌の特徴とも言える売買欄とイベント告知は、絶対に見逃せないページでもありました。現に毎号雑誌を手にして一番最初に目を通すのが、読者がマイバイクや関連アイテムを売りに出している売買欄でした。どんな雑誌でもそうですが、売買欄にはその雑誌の特徴が如実に現れるもので、別冊もその例外ではありませんでしたね。ちょっとマニアックなものからオリジナル度の高い旧車など、買う買わないは別として、見ているだけでも楽しくなる味わいのあるページだったのです(実際ここに掲載されていたバイクを何台も購入させてもらいました)。

さらに読者目線でセレクトされたイベント告知も見逃せないページでした。このふたつのコーナーが、今のワタシのバイクライフの一端を支えてくれたいたと言ってもいいでしょう。なんたっていっそうトラにのめり込んで行くこととなる『バトル・オブ・ザ・ツイン』の存在を知ったのも、別冊のおかげでしたからね(別冊よ、ありがとう)。

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第1回バトル・オブ・ザ・ツイン開催の告知は、当時ヤマハSRの発売に端を発したシングルバイク人気が、ツインバイクにも飛び火するのではないか? という予感をさせてくれるものでした。ワケあって(Vol.03ご参照)記念すべき第1回目のバトルは観戦のみという事になってしまったのですが、バイクのレースを冬真っ只中の1月15日に開催するってのは、どうなんですかね? アマチュアライダー中心のサンデーレースでタイヤウォーマーを持っている人はそう多くないはずだし、開催場所(筑波サーキット)の路面温度だってそんなに上がらなかったものと思います。けど蓋を開けてみたらどうでしょう。様々なツインバイクが筑波サーキットのパドックに溢れかえり、このカテゴリがシングル同様盛り上がって行くことを、予感ではなく実感させられる大会となったのです。

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レースではドゥカティやBMWの海外メーカー、国内メーカーはヤマハXVやカワサキのZツインなど、普段公道ではなかなか目にしないマニアックなモデルがサーキットを駆け巡っていました。トライアンフはと言うと、そのほとんどは旧いモデルだったので、エントリークラスは“TT”と呼ばれるクラシックモデルで競い合うクラスへの出場となっていました。

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しかし第1回大会に出場を果たせなかったワタシのトラは、TTクラスに出て来るクラシカルなトラと基本設計はほぼ同じなのですが、年式が新しいので一緒に走るマシンはドカやBMWの最新マシンや国産ツイン車軍団です。

後にライバルになるであろうマシンを目の当たりにして、実は「出られなくてよかったのかも…」と、内心ビビっていた事はナイショの話にしておきましょう(笑)。

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アマチュアのサンデーレースに関しては、同じ筑波サーキットで行われていた『タイムトンネル・フェスティバル』の観戦経験があったのですが、バトルを観ての印象は「ツインバイクも速いんだ?」って事でした。とくに、いままで“おじさんバイク”だと思っていたBMWの速さには、正直たまげました。今でもBMWは、常にクラシックバイクレースの上位に顔を出していますから、その速さは本物だったんですね。

第1回のバトルをナマ観戦し、ビビりながらもこのレースへの参戦を決意。翌年から“毎年1月15日はバトルの日”となっていくのです。

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しつこいようですが「なんでこんな寒い日に開催する事になったんでしょうかね??」という疑問を残しつつ、お話は次回へと続きます。ちなみに数年後、雪の為レースが中止となり、それからは開催日が変更されたのでした?。

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