VIRGIN TRIUMPH | トライアンフ タイガー 試乗インプレッション

トラインフ タイガーの画像
TRIUMPH TIGER

トライアンフ タイガー

英国生まれの万能型デュアルパーパス
タイガーのマルチロール性に迫る

「デュアルパーパス」 オン・オフ両方の道で高い走行性能を発揮するこのカテゴリは、主にヨーロッパのモーターサイクル界で高い人気を誇っている。BMWのGSシリーズやヤマハのテネレ・シリーズが最たる例で、トライアンフがヨーロッパ市場に投入しているのが今回紹介するタイガーだ。1990年代初頭、復活まもない英国メーカーを世界のバイクシーンに返り咲かせた3気筒エンジン搭載の本モデルは、1993年に初代が登場して以来、根強い人気とともに現代へとそのスタイルを受け継いでいる。ツーリング、ワインディング、シティユースとあらゆるシチュエーションに対応できる“マルチロールプレイヤー”タイガー、はたしてその真の能力はいかほどのものか。山猫のような眼を持つこのバイクの潜在能力に迫ってみた。

トライアンフ タイガー 試乗インプレッション

あらゆる状況で平均点以上を叩き出す
そのしなやかな動きは野山を駆け抜ける山猫

トライアンフ タイガー 写真

試乗前まで、その車高の高さから「乗りにくそうだな」という先入観を抱いていたが、実際にタイガーを目の前にしてみると、思ったほど大きくなさそうに見えた。ただ、普段から車高の低いネイキッド・モデルにばかり乗っているせいか、足を大きく振り上げてまたがるオフロード的な乗車姿勢に小さくない違和感を抱いた。ネイキッドでもスーパースポーツでもクルーザーでもない、デュアルパーパスというカテゴリのバイクに戸惑いを覚えつつも、実際に乗り出してみる。そこから東京都内を数分ほど走ったところで、タイガーに乗ることの楽しさ、そして「俺の能力はまだまだこんなもんじゃないよ」とでも訴えかけてくるような可能性を感じずにはいられないほどワクワクする自分がいた。その大きなボディから、当初は「取り回しが難しそうだな」というイメージを抱いていたのだが、今はそれが完全な誤りだったと言いたい。トライアンフの現行モデル中でもパワフルな排気量1050ccの水冷DOHC並列3気筒エンジンは、アクセルをひねると重量感あふれる力強さを発揮。高い制動力も併せ持っているので、走行シチュエーションに合ったバランスのいいパワーを提供してくれる。加えて前後17インチのホイールがどんな道にも対応できる走行性を実現。さらに人間工学に基づいて構築されたシートとスクリーン&フェアリング、ホイールベースの長さなどが均整の取れたライディングポジションを生んでおり、交差点をはじめ細かな操作性を求められるシティユースでも適切な力でライダーを誘ってくれる。

トライアンフ タイガー 写真

ならば、ハイウェイやワインディングに行けば、さらに秘められた潜在能力を発揮してくれるのではないだろうか。そんな期待を抱いた僕に、タイガーはそれ以上の答えを用意してくれていた。1時間以上におよぶ高速走行を実施してみたところ、かなりの強風による煽りを受けてもブレない安定感を保ちつつ、スクリーンで風を受け流しながら難なく巡航し続けた。そこから山中のワインディングへ飛び込んだが、いつもなら四苦八苦してしまうコーナリングまでスイスイとクリアできてしまった。乗り続けてタイガーの特質を理解し、走行時のバランス感覚を体得できれば、あとはシティユースと要領は同じなのだ。タイガーの特性として「万能型」という言葉がよく使われるが、こう言われると「どの分野でも平均点は出せる優等生タイプ」といった印象を抱いてしまうところだ。しかし、タイガーにその概念は当てはまらない。試したシチュエーションすべてにおいて、平均点以上の解答を叩き出してみせたのだ。もし僕がこのモデルのオーナーだったら、純正パニアケースを装着し、未知なるツーリングに出向いてしまうところだ。それぐらい、さらなる旅の可能性を感じさせてくれる1台だと言える。すばしっこさを生むしっかりとした足腰と、抜け目ない動きでどんな道をもラクラク乗り越えていくさまは、タイガー(虎)というよりも、野山を駆け回るリンクス(山猫)のように思えた。

トライアンフ タイガー 特徴

混迷の時代に生まれた機軸のモデル
無限の可能性を秘めた背中に魅了された

トライアンフ タイガー 写真

巷のライダーたちに「トライアンフのフラッグシップモデルはどれだと思いますか」と質問を投げかけたら、おそらくストリートトリプルやデイトナ675、ボンネビルといった名前が出てくることだろう。しかし、とあるトライアンフ正規取扱店の担当者にタイガーについて聞いたところ、こんな答えが返ってきた。「タイガーは、現行車両の中でも“核”となるモデルなんです。エンジンはスピードトリプルやスプリントSTと同じ水冷3気筒エンジンですが、スピードトリプルはタイガーのスポーツ性能を高めたモデルとして、スプリントSTはツーリング機能を優先したモデルとして開発されていると言われています。つまり、タイガーを軸に考えると、現行モデルたちがどう枝葉分かれして生まれたか、伺い知ることができるのです」

確かに3気筒エンジンを看板に新たなスタートを切ったヒンクレー・トライアンフの歴史を紐解いてみると、1991年の設立から2年後の1993年、タイガーは産声を上げている。当時はデイトナ750やスプリント900、スピードトリプル(当時のヘッドライトは1つだった)のほかに、トライデント750やトロフィー900といったモデルも発表されるなど、ある意味新生トライアンフにとって試行錯誤の時代だった。唯一のデュアルパーパスモデルとして現代に受け継がれてきたタイガーは、そんな混迷の時代において、軸としての地位を確立したのだろう。

タイガーは誕生以来、従来のデュアルパーパスの特徴である「オン・オフ両方で高い能力を発揮する」点を重視したスタイルを踏襲してきた。しかし近年、世界各国の道路整備状況を受け、このカテゴリの解釈が「オフの美点を兼ね備えつつも、オンロードに特化した高性能モデル」と変化してきた。これにより、2007年に大幅なモデルチェンジを敢行。元来フロント19インチ/リア17インチだったホイールは前後とも17インチに変更され、ブロックパターンのタイヤもオンロード向きのラジアルタイヤに変わった。エンジンは前述のとおり、他モデルにも搭載されている1050ccの水冷並列3気筒エンジンだが、車体のバランスやライディングポジション、走行時の状態などを考慮し、トップギアの設定を高くするなど、細やかな微調整がなされている。さらに最高出力と最大トルクを向上させつつも、乾燥重量が前モデルよりも7キロ軽減するなど、モーターサイクルとしての性能が一気にアップしているのが伺える。実際、試乗時には慣れないスタイルながら、時間の経過とともに「なんてバランスの取れた車体なんだ」と思わされたほどだ。あらゆる乗り手を魅了するモデル、タイガー。その獰猛なネーミングとは裏腹に、実に乗り心地の良い背中は離れ難い無限の可能性を秘めていた。

トライアンフ タイガー の詳細写真

トライアンフ タイガーの画像
外装のデザイン全般はイタリアのマラベーゼデザインによるもの
トライアンフ タイガーの画像
バランスの取れたライディングポジションを生むワイドバーハンドル
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容量20リッターのフューエルタンクはロングツーリング向き
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人間工学に基づいてデザインされたというシート
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スピードトリプルなどと同じ排気量1050ccの水冷並列3気筒エンジン
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モダンなデザインのリア周り。長旅するならオプションのパニアケースは必須
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45mm倒立フルアジャスタブルフォークを搭載したフロントの足回り
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トライアンフのABSシステムは、前後の車輪を別々に制御する仕組み
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低い位置に取り付けられたサスペンションは力強い走りを支える

SPECIFICATIONS – TRIUMPH TIGER

トライアンフ タイガー 写真

価格(消費税込み) = 158万5,500円

あらゆるシチュエーションにも高い能力を発揮する万能型バイク。トライアンフが自信を持って世に送り出したデュアルパーパス・モデルだ。

  • ■エンジン型式 = 水冷DOHC並列3気筒
  • ■総排気量 = 1,050cc
  • ■ボア×ストローク = 79.0mm×71.4mm
  • ■最高出力 = 115PS/9,400rpm
  • ■最大トルク = 100N・m/9,400rpm
  • ■サイズ = 全長2,110×全幅840×全高1,320mm
  • ■シート高 = 835mm
  • ■ホイールベース = 1,510mm
  • ■乾燥重量 = 201kg
  • ■タンク容量 = 24L
  • ■Fタイヤサイズ = 120/70 ZR17
  • ■Rタイヤサイズ = 180/55 ZR17

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