VIRGIN TRIUMPH | 海外ツーリングのちょっとした事情 山田健さんのコラム

海外ツーリングのちょっとした事情

  • 掲載日/2016年02月26日
  • 写真・文/山田 健

海外をバイクで旅する上での、ちょっとした事情をご紹介します。

山田健さんのコラムの画像

異国の地をバイクで走るなら、心身ともに健康な状態でいることが大切です。そんな今回は、身体とバイクの燃料である、お水とガソリンのお話です。

山田健さんのコラムの画像

健康であるためには、まず水が大切。朝一で飲む水は最高にウマイ。日本の当たり前は、当たり前ではない。最初の国、ロシアへ行ったときは、飲料水が身体に合わなかったのか、最初1カ月くらいおなかの調子が悪く、毎日が大変だった。健康な状態でなければ旅を続けることは出来ない。水道水が飲める保証は無いのです。鉄臭かったり、茶色かったりすることもある。

山田健さんのコラムの画像

シベリアでは道中のカフェでコーヒーを飲んだりもしていたが、身体の調子も考えて、ペットボトルの水やジュースを飲むようにした。(蓋が開いていない)新品のペットボトルであれば安心して飲むことが出来る。ロシアでは水のペットボトルの中身がウォッカのときもあった。

山田健さんのコラムの画像

なぜお水が必要か? 単純に水分補給だけど、一度封を開けてもそんなに味も変わらないし、腐りにくいから歯磨き、料理、風呂に入れないときに体を拭いたり、バイクを拭いたり出来る。なんでも使えて便利なのだ。

ユーラシア大陸を横断したとき、シベリアなど距離にして500km、長いときは1,000kmくらい走った。1日走ればガソリンスタンドかお店くらいは必ず見つかる。スーパーやガソリンスタンドなど、水はどこでも購入出来る。しかもそんなに高くはない。炭酸飲料水やジュースは国やお店によって値段が違って「定価が無いの?」ってくらい高いこともある。ドイツの高速道路では、容量500mlのコーラが、2014年当時の為替で500円くらいだった。そんな高価な飲み物は積みません(笑)。

山田健さんのコラムの画像

バイクに水を積むとき、基本は1.5リットルか2リットルのペットボトルだった。多いときは3リットルくらい。人の住んでいない地域へ行く以外は、これだけあれば充分。あまり多くても重いし、このくらいが丁度いい。固定するときは先に開封して少し飲んでおくのがおすすめ。新品のペットボトルよりも柔らかくなって固定しやすいからだ。

海外ではガス(炭酸)入りの水も多い。ガス入りは料理にも使いにくいので、ガス抜きの水を買うようにしていた。ガス入りかそうでないかの違いは、だいたいラベルの色だけで区別され、パッケージが読めない場合も多々ある。そんなときはボトルを握ってみる。ガス入りの方が、圧力が高くて硬い。

山田健さんのコラムの画像

ガソリンはこまめに給油した方がいい。ヨーロッパ、ロシアであれば、日本と同じようにガソリンスタンドがある。ただ、大自然を走るときは次のガソリンスタンドまで距離があるので、見つけたら補給した方が無難。シベリアを走っていたとき、残量がまだ半分あるからと、給油せずにスルーしたら150?200km走ってもガソリンスタンドが見当たらず、ガス欠になりそうだった。

ガソリン満タンで航続距離300km走ることが出来れば、ロシア、ヨーロッパであれば基本的にガソリン携行缶は要らない。ただ、シベリアやモンゴルなどは持っていた方が安心。

山田健さんのコラムの画像

ロシアのガソリンスタンドは基本的に日本と同じで、道路上に看板があるから見て分かる。ほとんどがセルフ式だった。郊外ではガソリンスタンドの道路標識もある。

山田健さんのコラムの画像

ガソリンの種類は、ロシアでもヨーロッパでも基本的にオクタン価で表示されている。だいたい92、95、98の3種類で、数字表記なので「diesel」と間違うことはまずない。日本ではレギュラーガソリンが90?92、ハイオクが98?100くらいとされている。95はどこのスタンドにもある。たまに、数字表記が無く分かりにくいスタンドもあるので、そのときはちゃんと聞いた方がいい。

山田健さんのコラムの画像

ガソリンの支払い方法は、ロシア東部では現金先払いだった。もちろんロシア語も分からないので、オクタン価、金額、必要な量を紙に書いて、店員に渡す。実際に入れてみて、給油量が少なかったら返金してもらえる。これは憶測だけど、先払い式なのは食い逃げならぬ「入れ逃げ」する輩が多いからなのかもしれない。

途中で出会ったフランス人から満タン(フル)のジェスチャーを教えてもらって給油が楽になった。手の甲を上にして顔か首の前あたりで振ればいい。

ヨーロッパに近づくと、クレジットカードが使えるようになる。日本と同じで給油機の隣にクレジットカードをいれるマシンがある。表示を英語表記に切り替えられるところが多いが、それが無い場合は給油してくる人に聞いていた。デビットカードが使えない場所もあるので「VISA」「Master」のどちらかは持っていた方がいい。

山田健さんのコラムの画像

ガソリン価格は、ロシアは日本より安く、2014年当時のレートでリッター100円ちょっとだった。ヨーロッパや東欧は日本より高かった。とくにヨーロッパは、どこへ行っても日本より高いと思った方がいい。イギリス、ノルウェーではリッター220円越えもあった。もちろん為替にもよるが、大体1リットルあたり150?200円くらいだ。

バイクでの旅は、自分の食事や宿代よりも、ガソリン代がかかるんです…。

バイク買取&乗り換えガイド