VIRGIN TRIUMPH | 1880-1940年代 Vol.02 トライアンフ ヒストリー

1880-1940年代 Vol.02

スピードへの挑戦
マン島TTレースで活躍するトライアンフ

1900年代が始まって間もなく、モーターサイクルによるレースが欧米各国で盛んに行われるようになった。その当時から1970年代まで、ロードレースの結果やタイムは、モーターサイクルの販売台数に大きな影響を及ぼしていた。メーカーにとっては、自社のモーターサイクルがいかに速く、優秀であるかをアピールするのに絶好の場でもあった。レースの結果は販売宣伝材料として非常に重要であり、表彰台に上がるレーサーたちはヒーローであった。

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トライアンフがレースに参加し、その名を広く知られるようになったのは、1907年に初開催された、マン島の『ツーリスト・トロフィー・レース(TTレース)』であった。島の市街地や丘陵地帯を駆け抜けるこのレースで、トライアンフは3.5hpの4台を単気筒エンジンのクラスにエントリー。ライダーはフランク・ハルバート、スタンリー・ウェッブ、ジャック・マーシャル、R.W.デュークで、1周25.2kmのコースを10周し、順位を争った。その結果、マーシャルが2位、ハルバートは3位入賞という成績を残した(残り2人はリタイア)。

翌1908年、トライアンフは単気筒で475ccのエンジンを積んだマシンと共に、マン島へ乗り込んだ。前年は単気筒クラスで惜しくも2位となったジャック・マーシャルは、『マチレス』や『レックス』など、強力なライバルマシンを抑えて優勝。同クラスではトライアンフが3、4、5、7位入賞となり、トライアンフがTTレースを席巻した。

レースでの好成績は販売台数にも表れ、1908年に『3.5hp』を2,000台。翌1909年には3,000台を販売し、トライアンフは大きく成長する。

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TT Racer(1911)

戦場の兵士たちから
信頼を勝ち得た軍用モデル

1914年、第1次世界大戦が勃発。戦火はまたたく間に広がり、イギリスは8月にベルギーへ侵入したドイツに対し、宣戦を布告。世界大戦に参戦した。

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タイプH(1915)

同じ頃、トライアンフは3速のトランスミッションを搭載した、『タイプH』を発売していた。戦争が始まってからしばらくすると、イギリス政府はベットマンに対し、モーターサイクル100台の納入を緊急要請してきた。ベットマンは快諾し、すぐに100台を送り出した。その後トライアンフは、1918年に世界大戦が終結するまで、軍用のタイプHを5万7,000台生産。3万台が実際にイギリス軍と連合国軍で使用された。兵士たちのトライアンフに対する評判は高く、「トラスティー・トライアンフ(信頼のトライアンフ)」と呼ぶほどであった。

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軍用車の生産と納入はトライアンフに名声をもたらしただけでなく、とてつもなく大きな利益を得ることにもなった。また安価な交通手段としてのモーターサイクルが注目され、世界各国における需要が高まっていた。世界大戦後、多くのモーターサイクルメーカーが設立され、さまざまなモデルが販売されるようになり、モータリゼーションが加速していった。

シュルツに代わりホルブルックが
新しいGMに就任

1887年から共同出資者として、ベットマンと共にトライアンフの経営に尽力してきた、モーリス・ヨハン・シュルツが同社を退社。ベットマンは新しいゼネラルマネージャー(GM)として、クロード・V・ホルブルックを迎え入れた。ホルブルックは、第1次世界大戦時にトライアンフの車両を至急軍へ納入するよう要請してきた人物である。そして同年、労働者によるストライキが鋳造工場で起こり、トライアンフの生産にも影響が出ていた。そのような状況でも、タイプHをベースに開発した『タイプSD』を1920年に発売する。

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クロード・V・ホルブルック

トライアンフは、1921年のマン島TTレースに6台のニューマシンを投入した。この新しく開発されたレーサー『タイプR』は、エンジンは単気筒で4バルブシリンダーヘッドを持つ500ccだった。同社はこのエンジンの開発を、エンジンのスペシャリストであるヘンリー・リカルドに託した。

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ヘンリー・リカルド

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タイプR “リッキー”

彼はSDのエンジンをもとに、OHV(オーバー・ヘッド・バルブ)化した新エンジンを作り上げ、最大出力20ps、最高速度は130km/hを記録。タイプRは“リッキー”の相性で呼ばれ、レースでの活躍が期待されるも、TTレースでは1台が完走しただけに終わった。

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“リッキー”の4バルブシリンダーヘッド

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