VIRGIN TRIUMPH | トライアンフ ストリートトリプルR 試乗インプレッション

トラインフストリートトリプルRの画像
TRIUMPH STREET TRIPLE R

トライアンフ ストリートトリプルR

トライアンフの屋台骨を支える
ミドルスポーツネイキッド

1990年から水冷3/4気筒車を主軸に据えるようになったトライアンフが、初めて手がけたミドルネイキッドは、『TT600』の基本設計を転用して開発した『スピードフォア』。2002年に発売されたこのモデルは、残念ながら好セールスを記録することはできなかったけれど、同様の手法で『デイトナ675』をベースに製作された『ストリートトリプル』では、状況が一変。並列3気筒ならではの豊富な低中速トルクと鼓動感に加えて、抜群の扱いやすさを備えていることが世界中で評価され、2008年のデビューイヤー以来、ストリートトリプルはトライアンフの稼ぎ頭となっているのだ。

世界中のユーザーからの要求に応える形で、ストリートトリプルに上級仕様の“R”が加わったのは2009年で、2011年には両仕様のフェイスリフトを実施。そして2013年にはシャシーを中心に大幅刷新が行われた新型『ストリートトリプル/R』がデビューするのだが……。世界一厳しい騒音規制が存在する日本では、本国仕様のままでは販売できないため、独自の対策を施したストリートトリプル/Rが、段階を踏んで発売されることとなった。

トライアンフ ストリートトリプルR 特徴

トライアンフ ストリートトリプルR 写真
トライアンフ ストリートトリプルR 写真
トライアンフ ストリートトリプルR 写真

スタンダードの85と上級仕様のRには
明確な差異が設定されている

日本仕様のストリートトリプル/Rは、生い立ちや構造を説明する際に、少々回りクドい説明が必要になるモデルだ。まずそもそもの話をすると、2008、2009年に登場したストリートトリプル/Rはデイトナ675の兄弟車で、出力特性を低中速重視に変更したり、足まわりの装備をややグレードダウンしたりといった違いはあるものの、エンジン+フレームの基本は共通だった。だが2013年に登場した新型ストリートトリプル/Rでは、その大前提が変わっている。フレームを含めたシャシーは新型デイトナ675と共通する要素が多いのだが、エンジンは従来型デイトナ675用を継承しているのだ。これはおそらく、コストの抑制を考慮した結果だと思われる。

なお2009年から発売が始まったストリートトリプルRの特徴は、フルアジャスタブル式の前後ショックユニットと(スタンダードの調整機構は前後ともプリロードのみ)、フロントブレーキに導入されたラジアル式マスター+ラジアルマウント式4ピストンキャリパーで(スタンダードのフロントマスターは横置き式でキャリパーは片押し式2ピストン)、この点は新型Rも同じ。ただし2013、2014年から日本に導入されることとなった新型は、世界一厳しい騒音規制の影響を受け、スタンダードとRに明確な差異が設けられている。

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まず昨年から発売されているスタンダード仕様の“85”は、新型の特徴であるショートマフラーを維持した状態で規制に合致させるため、最高出力発生回転数を11,800→10,000rpmに、最高出力を104→85psに引き下げている。一方で今年度から発売が始まるRは、日本専用の延長マフラーを装備することで、本国仕様と同等の104psを獲得。このあたりの変更には賛否両論があるようだけれど、厳しい日本の規制をクリアし、選択肢の幅を広げてくれたトライアンフジャパンの姿勢に対して、異論を述べるのは野暮と言うものだろう。

ちなみに、2014年の日本に導入されるトライアンフ製ミドルロードスポーツの価格は、デイトナ675R/158万5,000円、デイトナ675/138万5,000円、ストリートトリプルR/119万2,000円、ストリートトリプル85/91万5,000円と、装備の違いによって20~27万7,000円の差が設けられている。言ってみればユーザーの懐事情に応じて、好みのモデルが選べる状況になっているのだ。

トライアンフ ストリートトリプルR 試乗インプレッション

絶対的な速さではデイトナ675/Rに及ばないものの
運動性能の高さはミドルネイキッド随一

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やっぱりフルパワーはいいなあ……というのが、新生ストリートトリプルRに乗った僕の第一印象だった。べつに昨年体験したスタンダードの85に不満を抱いたわけではない。だが10,000rpmを超えても回転上昇の勢いが衰えないエンジン特性を知ると、「これぞトライアンフ製ミドルトリプルの真骨頂!」という気がしてくる。ただし、それは試乗前にイメージしていた通りであり、エンジン特性以上に新型Rで僕が驚いたのは、車体の特性が、85とはまったく異なることだった。

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と言うのも、旧型ストリートトリプル/Rの場合は、足まわりの動きやブレーキタッチに差異があったにせよ(もちろん、豪華装備を採用するRのほうが上質)、基本的なキャラクターはスタンダードもRも同じだったのである。だが新型は違う。旧型の乗り味をベースとするなら、85はフレンドリーさとオールラウンダーとしての資質を高め、一方のRはスポーティ&ストリートファイター的な特性に磨きをかけてきたのだ。だから2014年のトライアンフ製ミドルトリプルは、予算に応じて選びたくなるシステムになっているものの、乗り味を事前にしっかり考慮しないと、購入後に後悔する可能性があると思う(スペックを見ているぶんには、デイトナの新型にはそういった大差はなさそうだ)。

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ではストリートトリプル85がどんな趣向のライダーに向いているかと言うと、それはもう単純に、アップハンドル車でサーキットや峠道を楽しみたい人だろう。絶対的な速さではデイトナ675に及ばないものの、85と比較すると、シート座面が20mm高くなり、キャスター角が0.7度立てられ、さらに前後サスペンションが高荷重設定となったRは、ミドルネイキッド随一と言えるほどの運動性能を備えているのだから。Rがこういったキャラクターにシフトした背景には、MVアグスタ ブルターレ800や、ヤマハ MT-09(850cc)など、同じ形式のエンジンを搭載するライバル勢への対抗意識があるのかもしれないが、排気量差をものともせず、それらと互角以上に戦える力が、新型には備わっているのだ。

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とは言え、昨年登場した85のスーパーオールラウンダーとしての性能に感銘を受けた僕としては、新型Rの乗り味はスポーティ&ストリートファイター志向を強めすぎ……と感じられなくもなかった。サーキットやワインディングでは素晴らしい性能を発揮してくれるものの、市街地の移動やツーリングに使うと、新型Rの足まわりは少々難しく感じることがあるのだ。もちろん、ストリートトリプルRのショックユニットは前後ともフルアジャスタブル式だから、調整次第で85に近い特性を持たせることも不可能ではないだろう。と言うか、そういう遊び方ができることもRならではの魅力で、自分好みの乗り味を作りたいライダーにとっては、85ではなくRを選んだほうが、いろいろな面で充実感が得られるのかもしれない。

トライアンフ ストリートトリプルR の詳細写真

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デビュー当初は丸目2灯式だったヘッドライトが、異形2灯式となったのは2011年型からで、この点は新型でも不変。試乗車に装着されているフライスクリーンやシングルシートカバーは、スタンダードの85と共通する純正アクセサリーパーツ。
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デイトナのセパレート式とは異なり、ストリートトリプルは初代から一貫して一体型のダブルシートを採用。フレンドリーさを意識した85のシート高が800mmであるのに対して、運動性を重視するRの数値は820mmだ(デイトナ675/Rは830mm)。
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従来型では2本出しアップタイプだったマフラーがショートタイプに変更されたため、テールまわりは非常にすっきりとした印象となった。このあたりの造形は新型デイトナ675/Rと共通で、ウインカーとナンバープレートのステーは簡単に脱着することが可能。
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並列3気筒エンジンは従来型デイトナ675用だが、スロットルボディやインジェクションマップ、ミッションの1速ギアなどは見直しを受けている。トライアンフのデータによると、日常域における燃費は30%向上しているそうだ。
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ラジエターシュラウドはRの標準装備品だが、アンダーカウルやジュラコン製エンジンガードなどは純正アクセサリーパーツ。この他にもストリートトリプル85/Rには、豊富な純正アクセサリーパーツが準備されている。
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昨年から発売が始まったストリートトルプル85が、最高出力を下げることで、イギリス本国仕様と同様のショートマフラーを採用したのに対して、Rは日本市場のために開発された延長マフラーを装備することで、本国仕様と同等の出力を発揮。
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日本のカヤバが製造を担当するφ41mm倒立式フロントフォークは、プリロードに加えて伸圧ダンパーも調整できるフルアジャスアブル式。ラジアルマウント式のニッシン製4Pキャリパーは、デイトナ675のスタンダードが採用する最新型ではなく、一昔前のデザインだ。
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左右非対称のスイングアームとアルミツインビームフレームは新型デイトナ675/Rと共通。ブレーキにはABSが備わるものの、切り替えはオン/オフのみで、デイトナ675/Rのようなトラックモードは設定されていない。
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ブレンボ製片押し1Pキャリパー+φ220mmディスクのリアブレーキと、フロント3.50-17、リア5.50-17の5本スポークホイールは、新型デイトナ675/Rとストリートトリプル/Rに共通するパーツ。標準タイヤはピレリ・ディアブロロッソ。
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スプリングがレッドにペイントされたリアショックもカヤバ製で、こちらもフロントと同様にフルアジャスタブル式。セッティングデータは公開されていないものの、スタンダードの85と比較すると、Rのショックは前後とも高荷重域を重視した設定だ。
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一見しただけではデイトナ675/Rと同じパーツに思えるが、日常域での扱いやすさを考慮したストリートトリプル/Rの左右ステップは専用設計。デイトナ675/Rを基準に考えると、バーの位置がやや前方かつ下方に移動している。
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ハンドルバーは中央部を太くしたテーパータイプで、この形状は欧州製スポーツネイキッドの定番。メーターの基本構成はデイトナ675/Rと共通だが、ストリートトリプル/R用は液晶画面がポジ表示になっている。ラジアルポンプ式のフロントブレーキマスターはニッシン製。

SPECIFICATIONS – TRIUMPH STREET TRIPLE R

トライアンフ ストリートトリプルR 写真

価格(消費税込み) = 119万2,000円

※表示価格は2014年4月現在

デイトナ675/Rとストリートトリプル85の中間的な資質を備えた、ミドルスポーツネイキッド。新型には従来型とは一線を画するキャラクターが与えられている。

  • ■エンジン型式 = 水冷DOHC 並列3気筒 4バルブ
  • ■総排気量 = 675cc
  • ■ボア×ストローク = 74×52.3mm
  • ■最高出力 = 104ps/11,850rpm
  • ■最大トルク = 64Nm/8,400rpm
  • ■燃料供給 = フューエルインジェクション
  • ■トランスミッション = 6速
  • ■サイズ = 全長2,055×全高1,060mm×全幅740mm
  • ■ホイールベース = 1,410mm
  • ■シート高 = 820mm
  • ■車両重量 = 193kg
  • ■燃料タンク容量 = 17.4リットル
  • ■Fタイヤサイズ = 120/70 ZR17
  • ■Rタイヤサイズ = 180/55 ZR17
  • ■ブレーキ形式(F/R) = 油圧式ディスク/油圧式ディスク

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