VIRGIN TRIUMPH | 新型ボンネビルT100 長期インプレ vol.01【普段使い編】 トピックス

新型ボンネビルT100 長期インプレ vol.01【普段使い編】

伝統を崩さず、現代の装備で帰ってきたT100

新型ボンネビルT100 長期インプレの画像

トライアンフは2016年、キャッチコピー「REBORN」を掲げ、革新的なモデルを立て続けに発表している。その第1弾がクラシックシリーズの水冷化を含むリニューアルだった。

まず2016年1月にストリートツインやボンネビルT120などがニューモデルとして登場した。ところが、そこにボンネビルT100の名はなかった。2005年式同車のオーナーである筆者は「ああ、T100は空冷で終わっちゃうんだな」と少し寂しく思っていた。

しかし、2016年10月に満を持して新型ボンネビルT100が発表、そしてほとんど同時に発売が開始されたのだ。2002年から2015年まで続いていた同車の歴史の新たな幕開けとなった。

新型ボンネビルT100 長期インプレの画像

発表後はじめに驚いたのは、車両価格だった。115万500円~118万9,380円(税込)。なんと装備・性能をアップして、価格は先代より15万円ほど安くなったのだ。

おおまかな変更点は、水冷化を図り、排気量は865ccから900ccにアップ、ABSはもちろん、トラクションコントロール、電子制御スロットル(ライド・バイ・ワイヤ)、トルクアシスト・クラッチなどハイテク装備を搭載したことだ。

次に嬉しかったのは、中身は変わっても伝統のスタイリングは見事に継承されていたこと。水冷化によってラジエーターこそ備わったが、シンプルでクラシカル、オートバイらしいフォルムは変わっていない。トライアンフはスポーツモデルから、クルーザー、ツアラー、アドベンチャーまで多彩な車両をラインナップしているが、やはり多くの人がイメージするトライアンフは、こういったスタイリングではないだろうか。

進化したボンネビルT100、その乗り味は?

新型ボンネビルT100 長期インプレの画像

さて、この長期インプレは全6回を予定している。今回は普段使い編ということで、さっそく通勤や都内の移動に使ってみた。感想を一言でいうと、快適性と安全性が格段に向上している、ということ。走るのも、曲がるのも、止まるのも、不安がなく仕上がっている。

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発進は素早く、都内の細かい道もクイックネスに走る。エンジンは「水冷SOHC並列2気筒 8バルブ270度クランク900cc」。先に発売しているストリートツインと同じエンジンで、同じフレームに載っている。

ストリートツインはまるでスポーツモデルのような俊敏さで、街中ではヒヤリとすることもあった。ボンネビルT100は15kgほど重くなったことと、サスペンション、ホイールなどが異なることで、だいぶ穏やかな印象だ。それでも先代の空冷モデルと比べれば断然素早い。それは出力設定の大きな変更が関係している。最高出力は55PS(40.5 kW)@5,900rpm、最高トルクは80Nm@3,230rpmで発揮する。発進後すぐに最大トルクに到達するような、低回転域から中回転域にピークパワーを持ってきたセッティングなのだ。

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ABSは前後標準搭載されている。筆者が所有する2005年式の先代モデルで怖さを感じるのはブレーキだ。ABSは搭載されておらず、いまのバイクに比べると効きもだいぶ悪い。後輪をロックさせてしまうこともときどきある。それが新型では払拭されていて、よく止まる。必要以上に車間を開けなくても止まれるので、混んでいる街中の走行がラクになった。車両自体が軽くなったも影響していると思う。

ちなみにタイヤはフロント18インチ・リア17インチ。先代よりもフロントが1インチ小さくなった。

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キビキビした走りには、クラッチの進化も大きく貢献している。トルクアシスト・クラッチが採用され、クラッチ操作に力がほとんど要らなくなった。そのため、指2本がけで瞬時にギアチェンジができる。通勤など街中の走行でもありがたいし、長距離をツーリングする際にも助かるはず。

それとともに電子制御システム「ライド・バイ・ワイヤ」も備わり右手の操作もリニアになった。抜群のレスポンスと、開度に応じたスムーズさ。この新しいアクセルとクラッチの楽しさを知ってしまうと古いモデルはもっさりと感じる。操ることの喜びを増幅させた機構だ。

サイズは日本人にもジャストフィット!

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またがってみると、先代モデルより若干ながら小ぶりになった印象だ。筆者の身長は175cm・体重は67kg。手や脚、膝の曲がり具合などどこにも無理がない。おそらく170cmくらいの方でも大きいと感じることはないだろう。同じプラットフォームのストリートツインよりは大柄ながら、900ccクラスでは初心者や女性でも扱いやすい部類に入るはず。

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シート高は790mm。先代より15mm上がっているが、シート形状の関係からか、足が付きやすくなった。自他ともに認める短足な筆者でも両足べたつきだ。またがったままの取り回しもラクで非常に扱いやすい。

先代にはなかった便利な機能が満載されている!

新型ボンネビルT100 長期インプレの画像

スピードメーターとタコメーターの二眼式は先代から継承している。進化したのはデジタル部分。オドメーター、トリップ、時計に加え、平均燃費、航続可能距離予測が備わった。ちなみに都内を200kmほど走った燃費は約21km/L(ハイオク指定)。公式の発表では燃費は36%向上したとのことなので、ツーリングに出ればもう少し伸びそうだ。タンク容量は14L。ツーリングなら200km、普段使いなら250kmを目安に給油を考えれば問題ないと思う。

新型ボンネビルT100 長期インプレの画像

メーターのデジタル表示部分の切り替えは、左手のウインカー上にあるインフォメーションボタンで行なう。トラクションコントロールの設定切り替えもこのボタンで操作。シンプルで分かりやすい。

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先代オーナーとして、普段使いで一番面倒なのがキーだった。メインキーとハンドルロックが異なる鍵だったのが、この新型では統一し、メーターの手前にあるベーシックなものになった。上の写真はシートを開けるための鍵穴。多くの国産車同様、シートをキーで開けられるようになった(もちろん鍵はメインキーと同一)。先代までボルト留めされていたのだ。いくらクラシックさがウリなモデルとはいえ、本当に面倒だった(汗)。

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シートを開けるとバッテリーのそばにUSB電源が標準装備されている。電熱ウエアの使用や、スマホの充電、ナビへの電源供給などいろいろ活用できる。メーカー純正で標準搭載というのは信頼性も高く嬉しい限り。

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今回はこんなところで、次回はツーリングに出てより詳しく走りのインプレを行ないます。最新と伝統を融合したこのマシンの真価を探ります!

プロフィール
西野 鉄兵
ツーリングマガジン『アウトライダー』編集部のデスク。大学生だった2007年にアルバイトで飛び込んで以来、長きにわたって雑誌やWEBの編集に携わっている。バイクの使い方はもっぱらツーリングで、全都道府県と海外数カ国での走行経験あり。普段の愛車は、2005年式のトライアンフ ボンネビルT100。
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