VIRGIN TRIUMPH | ブラックエディションが加わったトライアンフの「ストリートツイン」、そのキャラクターに迫る 試乗インプレッション

ブラックエディションが加わったトライアンフの「ストリートツイン」、そのキャラクターに迫る

トライアンフ ストリートツイン 特徴

ストリートシーンに特化した
特異なキャラクターがアイデンティティ

トライアンフ ストリートツイン 写真

1960年代、アメリカのボンネビル・ソルトフラッツで当時最速レコードをマークしたことからその名が冠されるようになった「ボンネビル」シリーズ。2001年に空冷並列2気筒DOHC8バルブという新型バーチカルツインエンジンとともに復活した現代のボンネビルは、2016年の水冷化(水冷並列2気筒SOHC8バルブ)に伴ってラインナップを一新。このとき、ボンネビルT120、スラクストン & スラクストンRとともに初代水冷モデルとしてラインナップを飾ったのが、今回紹介するストリートツインだ。

その系譜は、2009年から2016年までラインナップを飾ったエントリーモデル、空冷ボンネビルにある。それまでのボンネビルシリーズは、フロント19 / リア17インチホイールから成る正統派クラシックスタイルで統一され、違いはタンクグラフィック程度のものだった。しかしこの2009年以降のボンネビルは、前後17インチのキャストホイールという現代のスポーツバイクに見られるフットワークを与えられ、よりフレンドリーに街中を流せるマシンへと変貌を遂げたのだ。

水冷エンジン化により、ボンネビルシリーズのホイールサイズはフロント18 / リア17インチに統一された。タンクデザインやシート、二連メーターなど、よりクラシカルなテイストはボンネビルT120とボンネビルT100が継承し、ストリートツインは空冷ボンネビルの流れを受け継ぎつつも、よりコントローラブルなストリートバイクとなる役割を与えられた。

トライアンフ ストリートツイン 写真

排気量899ccの水冷バーチカルツインエンジンを心臓に、ツインショック型フレーム構造はボンビルT120やボンネビルT100と共有。そのエンジンセッティングも、最大出力が55ps(40.5kW)/ 5,900rpm、最大トルクが80Nm / 3,230rpmと、同じ排気量のボンネビルT100と同様。しかしここから見るディテールが、明確なキャラクターの違いを生み出す。

前述のとおりホイールサイズはフロント18 / リア17インチで、スポークホイール & ダブルディスクブレーキ仕様のT120に対してストリートツインはキャストホイール & シングルディスクという組み合わせに。ホイールベースもT120の1,445mmに対して1,439mm、シート高も750mm(T120は780mm)という設計から、ややローダウンしたモデルとしてまとめられている。乾燥重量も198kgと、200kgを割るほどだ。

一見全ボンネビル共通に見えるフューエルタンクだが、14.5リットルのT120やT100に対してストリートツインのそれは12リットルとやや小ぶりなタイプに。シルエットを見比べるとやや滑らかなデザインになっていることに気づく。合わせてシートもパッセンジャー対応型でありながら、シャープなラインが印象的な仕上げとされる。リアフェンダーも無駄のない軽量型が採用されている。

トライアンフ ストリートツイン 写真

一方、コックピットに目をやるとスピードメーターはボンネビルボバーと共通の大柄なタイプで、ヘッドライトステーはカフェレーサーカスタムに多用されるオークランド型となっている。フォークブーツの存在が、ブリティッシュテイストを際立たせる。さらにエンジンの左右から突き出るステンレス製メガホンマフラーが、マシンにレーシーなテイストを与える。

アンチロックブレーキングシステム(ABS)にスロットルコントロールを調整するライド・バイ・ワイヤ システム、そしてトルクの伝達を最適化するトラクションコントロールと、最新のモーターサイクル機能もしっかり兼ね備えている。モダンクラシックとは言え、現代のロードシーンに対応する性能が見えざる部分に秘められているのだ。

そんなディテールの組み合わせから、ストリートシーンを強くイメージさせるこのモデル。何よりツインショック構造から成るクラシックテイストこそストリートツインのキモだと言えるかもしれない。ボンネビルボバーなどに見られるモノショック(サスペンション1本)型の新設計フレームが続々と登場するなかで、トライアンフのアイデンティティとも言えるツインショックフレームがこのモデルに継承されているのは興味深い。

そんなストリートツインのキャラクターを探ってみるべく試乗へと駆り出した。

ストリートツインの試乗インプレッションは次ページにて
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