VIRGIN TRIUMPH | バイクの楽しさが詰め込まれた2019年式の新型ストリートスクランブラー試乗インプレ 試乗インプレッション

バイクの楽しさが詰め込まれた2019年式の新型ストリートスクランブラー試乗インプレ

トライアンフ ストリートスクランブラーの試乗インプレッション

パワーは18%も引き上げられ
それに伴い細部まで質感が高められた

トライアンフ ストリートスクランブラー 写真

ニューストリートスクランブラーにおいて大きな変更点となっているのは心臓部とも言えるエンジンだ。バーチカルツイン900ccは排気量こそそのままとしながらも、従来比で18%向上、10馬力も引き上げられ最高出力65馬力とされている。元々低回転時でのトルクフルな性格がさらに強調されつつ、レブリミットも500回転引き上げた7500回転とし、従来モデル以上に全域においてフラットで扱いやすい特性とされた。

そしてフロントには新型のカートリッジフォークとブレンボ製4ポッドキャリパーが装備されるなど、引き上げられたパワーを受け止める足まわりも合わせてアップグレードが施されている。馬力の向上によって従来モデルよりも余裕のクルージングが楽しめる。ストリートツインのインプレッションでエンジンの回転数による違いを少々書いたが、実のところはストリートツインやストリートスクランブラーは回転計を見ながら走らせるバイクではなく、体感的なエンジンフィーリングを得ながら乗るようなモデルなのだ。

トライアンフ ストリートスクランブラー 写真

シート高は790mmで、これはストリートツインと比べて30mm高いものとなっている。車体右側にアップマフラーのエキゾーストパイプの取り回しがされているため、右足側の足つきは左と比べると若干スポイルされるものの、さほど気になるものではない。それよりも幅が広いアップハンドルにより上体が立った姿勢になることの方が、ライダーの体格を選ぶかもしれない。ただペダルもスクランブラーに合わせた位置となっており、総じてスタンドアップ(立ち乗り)しやすいポジションとされている。

トライアンフ ストリートスクランブラー 写真

そしてフロント19、リア17インチのワイヤースポークホイール、そこに備わる溝の広いメッツラー・ツアランスの組み合わせは、まるでオフロードへと誘うようなセッティングだ。個人的にはこの19、17インチというタイヤサイズの組み合わせが好みで、峠道などでニュートラルなハンドリングを楽しめるものだ。ストリートツインと比べフロントフォークは寝かせられてセットされ、ホイールベースも長くなっているため、前者と比較すればゆったりとしたハンドリングには違いないのだが、これがキャラクターに合っているのだ。

忘れてはならないのがニューストリートスクランブラーではライディングモードの選択が可能になったことだ。ロードとレイン、そしてABSやトラクションコントロールをカットするオフロードモードが備わっている。オフロードに持ち込んで走らせてもみたが、低回転から粘るエンジン、アップライトなポジションなどから、思った以上に走りやすかったので、もしニューストリートスクランブラーを購入したならば、オフロード走行も楽しんでみて欲しい。

ファッションの一部として取り入れる
その先には素敵なバイクライフが待っている

トライアンフ ストリートスクランブラー 写真

それこそ無数とも言えるほど様々なバイクが溢れかえるこの世の中で、ストリートスクランブラーを選択する人は、きっとスタイリングやトライアンフというブランドバリューが入り口となっていることが多いのだと思っている。もちろんその中には熟練のエキスパートもいれば、免許取り立てのビギナーもいるので、それらをフォローするために手を出しやすいキャラクター付けがされており、特に今回のマイナーチェンジでは、扱いやすくなった出力特性や細部の質感の向上によってさらにライダーのすそ野を広げたと言えるだろう。

ニューストリートスクランブラーは、ストリートツインと兄弟モデルであるにも関わらずスタイリングからして大柄に見え、乗ってみると別物と言えるようなものに仕上がっている。だたしポイントとなるのはどちらのモデルも“ストリート”というイニシャルが付けられているところであり、これらのモデルは街中を流すようなバイクだとメーカーが伝えてきていることに他ならない。もちろんロングツーリングも行けるし、オフロードも走れるだろう。でも、ガチガチの装備を纏って乗るのではなく、ストリートカジュアルの延長線上にあるようなライディングウエアを選んで、ファッションのような感覚でバイクライフを楽しむというのが本来の姿なのだろう。

トライアンフ ストリートスクランブラー 写真

トライアンフではモデルごとに似合うウエアやエクイップメントを多数用意している。それらのすべてを購入することを勧めるようなことは私はしないが、気の利いたものであることは違いないので、せっかくモダンクラシックシリーズを手に入れたなら、1、2点取り入れるのは良いと思う。そうやってバイクライフのスタイルを広げ、自身がどのようにバイクと向き合うのかを確立してゆくことで、長い期間バイクと親しめるライダーとなってゆくだろう。ニューストリートスクランブラーは、そんな懐の深いバイクとなっているのだ。

最後に価格面の話をさせてもらうと、ストリートツインが105万600円なのに対し、ストリートスクランブラーは128万100円と、20万円以上もの差がある。もちろん装備の違いもあるのだが、最終的にどちらのモデルがバリュー面で自分に合っているかという点が、購入時の思案のしどころになるのかもしれない。

ストリートスクランブラーの詳細写真は次ページにて
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