VIRGIN TRIUMPH | トライアンフ スピードマスター 試乗インプレッション

トラインフ スピードマスターの画像
TRIUMPH SPEEDMASTER

トライアンフ スピードマスター

865ccパラレルツインを搭載するミドルクルーザーが
インジェクション化されて再び日本国内導入を果たした

865ccの排気量を持つ2気筒エンジンを搭載するトライアンフのミドルクルーザー「スピードマスター」が、再び日本国内導入を開始した。キャブレター仕様だった270度クランクのパラレルツインエンジンをフューエルインジェクション化し、最高出力を55 → 61psへアップ。外装や装備内容も一新され、18インチだったフロントタイヤは19インチにサイズアップし、ダブルディスクだったブレーキを軽快なシングルディスクに変更している。そしてユーザーにとって嬉しいのは、122万8500円だった車両価格が今回、109万2000円までプライスダウンされていること。円高の影響もあるはずだが、トライアンフジャパンの価格設定にも称賛を送りたい。

トライアンフ スピードマスター 特徴

トライアンフ スピードマスター 写真
トライアンフ スピードマスター 写真
トライアンフ スピードマスター 写真

パラレルツインの造形美を後押しする
キャブレターを模したインジェクションカバー

鋼管製クレードルフレームに搭載されるエンジンは、865ccの空冷並列2気筒DOHC4バルブ。整然と刻まれる冷却フィンを持つパラレルツインは主張を控えブラックアウトされているが、60年代の英国車がそうであったように左右対称にならんだシリンダーから同じようにエキゾーストパイプが伸び、地面と並行に真っ直ぐ後方へ伸びている。この機能的な美しさを持つエンジンレイアウトが、変わることなく現代まで受け継がれていることにまず称賛を贈りたい。

さて今回、そのパラレルツインがインジェクション化され、スピードマスターが日本へのカムバックを果たしたわけだが、燃料供給器を見ると、そのボディはまるでキャブレター。おや、なぜだ……!? と思ってしまうが、これはインジェクションユニットを覆うカバーで、伝統的なキャブレターのルックスをインジェクション化した現代でも守り通そうというトライアンフの意地によるもの。チョークレバーに模したスターターレバーも備わるなど、徹底したこだわりようである。もちろんこれは意味のあるレバーで、冷間時の始動に役立つのだ。このキャブレターを模したインジェクションカバーは並列2気筒エンジンを搭載した排気量865ccのモデルにだけ採用されており、パラレルツインの造形美を後押しすることに貢献している。

トライアンフ スピードマスター 試乗インプレッション

強烈な加速感を楽しんでいるうちに
いつの間にやらハイスピード

トライアンフ スピードマスター 写真

エンジンに見とれる時間はここまでにしておこう。ポジションは意外にコンパクトで、ステップも近い。クルーザーといえば足を前に投げ出すイメージだが、スピードマスターの場合はヒザが大きく曲がったまま少しだけ前方に出す程度。ハンドルも手前に引かれ、シートのホールド感もいい。シート高は690mmと低く、身長175cmのテスターの場合、両足カカトまでベッタリだ。

イグニッションは車体左側シート下。クロームメッキが施された弾丸型のメーターは速度計で、タコメーターと各種インジケーターはタンクの上にメッキカバーとともにまとめられている。クラッチを繋いだ途端、極低回転域から図太いトルクを発揮し、これは穏やかなクルーザーではないことに気がつく。各ギアで引っ張りながら加速していくと、あっという間に信号待ちで並んでいたバイクやクルマがミラーの中で豆粒になっている。強烈な加速感を楽しんでいるうちに、いつの間にやらハイスピードで駆け抜けているのだ。

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高速道路の追い越し車線でもぐんぐん後続車を引き離すが、直進安定性に優れる車体で不安要素はない。高速域での車線変更においてもキビキビ動いてくれるなど、クルーザーの域を超えた運動性能がある。シングルディスクになったブレーキもカチッとしたタッチで、コーナリングの進入でも多少の無理が効く。ネイキッドのように夢中になってワインディングを楽しむことができてしまうのだ。

その一方、早めにギアをかき上げ、ドコドコ感を味わいながらクルージングすることもできるのが、このエンジンの素晴らしいところ。不等間爆発となる270度クランクならではの鼓動感と19インチの足まわりは、ゆったり走るのもまた気持ちがいい。実はほぼ同時に、360度クランクの並列2気筒を搭載するボンネビルにも試乗したが、キャラクターはまるで違う。スムーズに吹け上がる360度クランクに対し、270度クランクは燃焼室の爆発をひとつひとつ楽しみながら回るような感覚。その違いを確かめられたとき、テスターはトライアンフのラインナップ展開のうまさを改めて感じた。巡航時のフィーリングだけでなく、マシンとライダーが一体感を得て操れる運動性能も高い次元で確保した NEW スピードマスター。「ときにはゆったり、ときにはスポーティに」乗り手の欲張りな要望にも、きっちり応えてくれるレンジの広いスポーツクルーザーだ。

トライアンフ スピードマスター の詳細写真

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排気量865ccの並列2気筒DOHC4バルブエンジン。クランク角度を270度にしたパラレルツインは、90度Vツインのような鼓動感が味わえる。
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クロームメッキが施された小振りなヘッドライトは、シンプルなフロントマスクを形成。黒い車体のなか、メッキパーツが効果的に散りばめられている。
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フォワードコントロールであるものの、ステップはそれほど遠くない。日本人の体型でも踏ん張りが効くので、スポーティな走りにも対応してくれる。
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新しくなった2011モデルではフロントまわりを一新。ホイールサイズを18 → 19インチ化し、ダブルディスクだったブレーキをシングルにした。
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ハンドルも手前に引き寄せられ、ポジションはいたって自然。ネイキッドスポーツからの乗り換えでもスンナリ馴染みそうだ。
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シートのホールド感が高く、ハードな走りをしても不安を感じない。後部シートの座面は見たとおり狭く、荷物の積載性は期待できない。
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ウインカースイッチの中心にプッシュボタン式のキャンセルスイッチを配置。国産車からの乗り換えでも違和感なく操作できる。
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タコメーターと各種インジケーターは、美しい光沢を放つメッキカバーによってタンクオン。いずれのメッキパーツも質感が高く、ディテールを際立たせている。
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19.3Lのハイオクガソリンを飲み込む燃料タンクは単色でまとめられ、シンプルな装い。TRIUMPHのエンブレムが側面に取り付けられ、中高年世代にも注目を浴びる。
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キャブレターのボディを模したインジェクションカバーによって、アナログテイストを演出。チョークレバー風のスターターレバーも備え、冷間始動時に役立つ。
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マフラーエンドはスラッシュカット。燃焼室を出た2本の排気管は弧を描いたあと、路面に対して並行に、サイレンサーへ向かって真っ直ぐ伸びる。
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丸みを帯びたテールレンズやシンプルなウインカー。オーバーデコレーションではない必要最低限の装備である。

SPECIFICATIONS – TRIUMPH SPEEDMASTER

トライアンフ スピードマスター 写真

価格(消費税込み) = 109万2,500円

排気量865ccのパラレルツインを搭載するミドルクルーザーがフューエルインジェクション化し再上陸。ブラックアウトされたエンジンはスクランブラーと同じ270度クランクで、こちらは低中速を重視した味付け。フロント19 / リア15インチの足まわりを持ち、クロームメッキが施されたリアショックなど専用パーツを多数採用している。

  • ■エンジン型式 = 空冷DOHC並列2気筒DOHC4バルブ
  • ■総排気量 = 865cc
  • ■ボア×ストローク = 90 x 68 mm
  • ■最高出力 = 61ps/6800rpm
  • ■最大トルク = 7.34kg-m/3300rpm
  • ■トランスミッション = 5段リターン
  • ■サイズ = 全長2,367×全幅830×全高1,170mm
  • ■シート高 = 690mm
  • ■ホイールベース = 1600mm
  • ■タンク容量 = 19.3L
  • ■Fタイヤサイズ = 100/90 R19
  • ■Rタイヤサイズ = 170/80 B15

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