VIRGIN TRIUMPH | DAYTONAレースダイアリー vol.06 江本陸さんのコラム

DAYTONAレースダイアリー vol.06

  • 掲載日/2015年03月20日
  • 文/江本 陸(ライター)  写真/横山 泰介

47歳にして、遅まきながらレースを始めてから早12年、干支もひと回りした事になる。とくに今年は50代最後のレースシーズンだけあって「大いに楽しまなくては」と思っている。

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トランポからバイクを下ろし、サーキットに漂うオイルの薫りや熱気を感じる度に心地良い興奮、緊張感、そしてどこか子供じみたワクワク感に包まれる。僕にとってレースは最高にスリリングで悦楽の世界にトップリと浸れる、とっておきのお楽しみである。その反面、そこにはとてつもないリスクが潜んでいることも事実だ。

それでも自分なりには、不治の病とでも申しましょうか、予感とか直感という“心のシグナル”を無視した事で、多少は手痛い思いを幾度か繰り返してきたが、ラッキーにも大事には至ってはいない。リスクはあったとしても、やっと手に入れた最高のお楽しみ。こればかりはやめるわけにはいかない。そう思っている。

亀の甲より年の功という諺通り、様々な失敗のお陰で、多少なりとも学習能力が身についた。そして人生最大の喜びごとを長続きさせるには、動物的な勘が大切。「そうだ! 心のシグナルを的確にキャッチすれば良いのだ」と、今さらそう思ってもいる。それにしても何となく嫌な予感という意味合いを多分に含んだ“心のシグナル”、つまり警告灯を素直に受け入れることは、意外と難しいのだ。

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(2015年)3月29日に筑波を拠点とするMAXグループ主催のサンデーレースが開催される。こうしてコラムを綴っている今でも、参戦するか否か、という迷いにも似た感覚が行ったり来たりしている。

その理由は幾つかあるのだが、MAX7クラスに何度か勝利し、昨年の暮れにMAX4クラスにチャレンジしたものの、タイムに大きな開きがあり、太刀打ち出来なかった。それに自分が設定した1分4秒という筑波での目標タイムにも練習不足等がたたり、達成も難しい。どういう事かというと、タイムの狭間に陥ってしまった、という事だ。抜け出すには相当な努力と分析力が要求される。

そのため、若干モチベーションも下がり気味というのが本音だ。気持ちの高まりを感じることなくレースに出ても、良い事は無さそうな気がする。これが今、僕の感じている“心のシグナル”だ。

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以前、レース関係の高人物から「出場をキャンセルするのも勇気だ」という言葉をいただいた。これほどまでにがむしゃらにレースにこだわり続けてきたが、今回は何故か乗り気がしない。モヤモヤした気持ちでレースに出ても楽しめない。ならば6月に大好きな富士で開催されるMAX3に集中した方が思いっきり走れる。何故かそう感じるのだ。プロフェッショナルのレーサーであれば、そんなヤワな事は御法度だが…

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今回ばかりはレースを楽しむ事を最優先にする。サンデーレーサーの特権を行使しても、構わないと思っている。

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