VIRGIN TRIUMPH | DAYTONAレースダイアリー vol.02 江本陸さんのコラム

DAYTONAレースダイアリー vol.02

  • 掲載日/2014年11月21日
  • 文/江本 陸(ライター)  写真/鯨岡 誠

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僕がデイトナに惚れ込んだ経緯は前回のコラムでも触れたが、人やモノとの出逢いには“縁”という深遠な事柄が絡み合っていると常々思っている。「それは、いくら何でもこじつけ過ぎなんじゃない?」と、思われてしまうかも知れない。しかしモーターサイクルの魅力には、ロマンという“やわらか?い”部分も多分に含まれているので、そうした事柄をつい話したくなってしまう。

僕とデイトナとの縁は、イギリスが一種のファクターとなっているのではないだろうか?と感じている。それには幾つかの理由があるが、一番のポイントは、何と言ってもデイトナはイギリス生まれだが、メカニカルな部分にジャパニーズエッセンスが注ぎ込まれている、という点にある。

僕流の解釈をすると、愛機デイトナはイギリスと日本のミックス。そうした視点からすると、祖父がイギリス国籍のペルシャ系インド人という僕のルーツと一致している。解釈を拡大すると体内でお互いのDNAが交信し合い、文化交流が行われている事になる。そこには、自由な発想の基に良いものは何でも取り入れるという、ミックスの得意技が潜んでいる。デイトナにおいても然りである。温故知新、そして伝統を重んじるイギリス生まれのモーターサイクルらしく、国産やEU諸国のバイクと比べてもハデな進化は見られず、どこかアナログ的で、人肌を感じさせてくれる。

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エンジンに火を入れると、まるで優秀な執事が「ご主人様の仰せの通り、如何様にも」と、まるでイギリス文化の代弁者でもあるかのように語りかけてくる。オーダーすれば「ハイ、かしこまりました」と、女性ライダーから僕のようなサンデーレーサー、そしてプロフェッショナルレーサーの要望にもしっかりと応えてくれる。

また「夕食のメニューは如何致しましょうか?」と言わんばかりに、パーツリストもTRIUMPHのロゴが刻印された純正レーシングパーツが豊富に用意されている。乗り手の志向に合ったカスタマイズを行うのもモーターサイクルの魅力であり、慣わしでもある。

御多分にもれず、僕自身デイトナの懐の深さを頼りに、愛機を進化させる事はプラモデルを作り上げる時のワクワク感と同質の感覚が湧き上がってくる。愛機デイトナはそれなりにレーシングマシンとして体が整っているため、消耗品の交換など通常のレーシングメンテナンスは怠る事なく行っているものの、目立ったパーツ交換は久しく行っていなかった。しかし、最近になって長年使用しているフロントディスクローターが気になりはじめ、思い切って性能アップとビジュアル的な効果を考慮し、モデファイを決意した。

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そんな矢先、タイミング良くデイトナの足回りを熟知する『SUNSTAR』から、プレミアムレーシングフルフローティングタイプ5.5mmがリリースされている事を耳にした。久々に味わうエキサイティングな気持ちを抑え切れず、ウキウキ気分で販売元の、レーシングサービスを得意とするトライアンフ横浜北へと出向いた。

フローティングピンはラッキーカラーのイエローに合わせ、オレンジをチョイス。ほとんど衝動買い状態で、以前から欲しかったスクリュータイプのタンクキャップもゲット。早めのクリスマス到来といった所だろうか。

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早速、レーシングメンテナンスのサポートでお世話になっているナップス幸浦店にて、チーフ、そしてレーシングメカニックの中村氏の手を借りながら、ローターとスクリューキャップの交換作業を行った。

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足回りをイジルとなれば緊張もする。慎重に工具を固定ボルトに差し込み、力を徐々に込めながら、ボルトを1本1本丁寧に抜いて行く。例えるならば、プラモデルの繊細且つ華奢なパーツの扱いに似ている。「絶対にヘマは出来ないぞ」といったところだろうか。キャリパーのクリーンナップやシャフトのグリスアップ等の細かい作業を同時に行い、約2時間ほどでフィニッシュアップ。

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その面構えはキリリと引き締まり「早くサーキットへ行こうぜ」とこちらの気分を煽っているような気さえする。思い通りの仕上がりとなり、12月のレースが待ち遠しい、今日この頃だ。

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