VIRGIN TRIUMPH | T140ボンネでスタートしたトラ最速レーサーへの道 vol.11 小沢 和之さんのコラム

T140ボンネでスタートしたトラ最速レーサーへの道 vol.11

  • 掲載日/2015年09月11日
  • 写真・文/小沢 和之(ライター)

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T140ボンネビルでようやくレースデビュー。その後も筑波サーキットで行われていた『バトル・オブ・ザ・ツイン』にエントリーし続け、途中、ホンダCS90やヤマハSRX250などでシングルクラス(サウンド・オブ・シングルなど)にも参加していましたが、上位を狙う技量は全く身に付かず、ただただルーティーンのように事務局へエントリー用紙を送り、エントリーフィーを振り込むという、なんとなく身のないレース参加となっていきました。

さらに、どんどん過激になるシングル&ツインの世界。人が集まればそこにはいろいろなしがらみも生まれて来るのは仕方の無い事。それまでのホンワカしたサーキットの雰囲気が徐々に変化し、大きなテントをドカンと建てたショップ単位のチームが乱立。ワタシみたいに個人で細々と参戦しているライダーは、なんとなく居場所が無くなりつつあったのです。

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バトルは第8回目くらいまでエントリーしていましたが、参加台数の増加とノーマルクラスとは言え速いマシンが増えて予選を通らなくなり、いつの間にやらシリツボミのような状態でエントリーをしなくなりました。

時を同じくしてモトクロスを始めたので、競技への興味はそのままオフへ移行。その後モトクロスと平行していたダートトラックをきっかけに、知り合ったデニムメーカーの人がレースに興味を持ち、そこから話がコロコロと転がってレースチームを作る事となり、久しぶりにロードレースへ戻る事になったのです。

初めはチームが用意した旧?いBMWでタイムトンネルやクラシックバイクが参戦可能なレースにエントリーしていたのですが、2007年シーズンに新設される事が決まった、あらゆるクラシックバイクがエントリー可能な『レジェンド・オブ・クラシックス(LOC)』に向けて、トライアンフを復活させる事にしました。

トライアンフは事実上バトル引退後、手持ちバイクが増えて来た関係で乗る機会が減り、いつしかガレージの隅に寂しく追いやられて、すぐに乗る事の出来る状態ではありませんでした。「いつかは直して乗らなきゃな?」って、ナンバーはそのまま税金だけを払い続けていたのですが、レース開催の話を機に「よし、これはレース車両として復活を遂げてやろう!」と、プロジェクトをスタート。

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以前の形はストックから徐々にカスタマイズ、最終的には60年代カフェレーサースタイルに到達したのですが、今度は思い切ってダートトラックスタイルに変身させることにしました。

ツインリンクもてぎで開催されていたダートトラックに参戦し、なおかつアメリカのクラシックダートトラックレースを年1で観に行っていたので、あの堂々としたスタイルがこの上なく大好き! さらにアメリカで見たビンテージトライアンフのダートトラック仕様にぞっこんだったので、トライアンフを復活させるにはこのスタイルしかないと前々から思っていたのす。

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両腕を広げて幅広のハンドルを押さえ込んだような、前傾姿勢のレーサーポジションには程遠いダートトラックスタイル。直線でいくら伏せても広げた腕が風を思いっきり受けるので不利な体勢は否めない。けどいいんです、そのプロポーションのバイクが好きだから。アメリカで観たクラシックダートトラックレースに数多く参戦しているトライアンフレーサー、マジかっこいいんです。

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今回のカスタムでは、公道復帰を考えない割り切ったものにしました。ずっと寝かせていたので当然エンジンはかからない、ほぼレストア作業のような行程は、チームで乗っていたBMWレーサーを製作した『リトモセレーノ』にお願いし、タンクなどの外装パーツは長年交流があり、頼んだものを何でも作ってくれる『サブクラフト』に依頼しました。

2006年の後半から作業を進め、バイクが完成したのは2007年の春を過ぎていたので、その年に始まったLOCの初戦にエントリーする事は出来ませんでした。しかし何事も焦ってしまってはいい結果が生まれません。納得の行くマシン作りには時間とお金(汗&涙)がかかるもの、待つのもまた楽しい時間じゃないですか(笑)。

そうして出来上がったのは日本一カッコいいトライアンフレーサーなのです。サブクラフト製のアルミタンクにはアメリカのレジェンドスタントライダー、イーブル・クニーブルを彷彿させるカラーリングを施し「えっ!? ほんとにこれでサーキットを走るの?」って誰もが口にするような、幅広のアファム製ダートトラックバーを装着。足回りにはフロントをステム加工し、ヤマハSRのフォークを装着、リムはアルミ化、ブレーキも強化しました。

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リアはエクセルのアルミリムでサイズアップ。エンジン本体には手を入れず、キャブレターをノーマルのアマル(角形)からCRキャブに変更して戦闘力をアップ。そのほか、どちらかと言うとスタイル重視でようやく組み上がった新生トライアンフレーサーのデビュー戦は、2007年のLOC第2戦、富士スピードウェイとなったのでした。

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