VIRGIN TRIUMPH | カフェレーサーのホイール&ブレーキ 鈴木克直さんのコラム

カフェレーサーのホイール&ブレーキ

前回は、ノーマルのボンネビルを『カフェレーサー』へとカスタムする際に選ぶべきパーツの紹介でした。そこから少し進めて、今回は車体まわりのカスタムについてお話ししましょう。

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以前もお話ししたとおり、現在のボンネビルやスラクストンはフレームが優秀なので、大きな改造は必要ありません。強いて不満を言えば、2名乗車を前提としたリアまわりが少々後ろに長いこと。シートレールを思い切りカットし、ループ状のパイプを溶接します。上に角度を付けて溶接すると見た目には良いのですが、リアフェンダーを取り付けたときにタイヤとの間隔ができてしまうため、角度は付けずに前方より真っすぐにします。

特にノーマルの17インチタイヤのままだと、ビックリするくらいに間が空きます。そのためにリアホイールを18インチにするという方法もあります。全体のバランスは、こちらのほうが良いのですが、前回もお話しした18インチリムやスポーク40本などの特注品が必要になります。

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なお、リムやスポークは、英国の業者に発注すれば、わりと短時間で製作してくれますよ。材質にはステンレス、スチール、スチールにカドミウムめっき(より旧車っぽくするのであれば)といったタイプがあります。ステンレススポークは錆びにくくてとても良いのですが、折れることがあるので、注意が必要です。

ボンネビルのリムはスチールで、形もハーレーのワイドリムに近い形で、重量があります。ボンネビルに使っている幅だと、このタイプしかないようです。せっかくのカスタムなので、ここは思い切ってアルミリムにしましょう。タイプはE型です。さすがにH型は、この幅では存在しません。

リアは3.50インチ幅で、フロントは2.50インチ幅が良いでしょう。このアルミリムに交換するだけで、バネ下重量が軽くなり、軽快な走りになります。リア18インチ、フロント19インチがベストで、フロントについては18インチでも良いかもしれませんね。

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ブレーキ関係では、フロントディスクのカスタムとして、より大径のディスクローターキットが英国で手に入ります。340mm径ディスクとロッキード製の4ポットorブレンボ製4ポットキャリパーのキットです。これはノーマルのマスターシリンダーで使用すると、多少スポンジーな握り心地になるものの、ストッピングパワーは格段に良くなります。しかし、ブレーキパッドの減りがやたらと早くなったことがありました。注意が必要です。

さらにクラシカルな感じにするのであれば、日本製なら旧タイプのヤマハTZドラム、イタリア製ではフォンタナドラムといった大径の前後ドラムブレーキに変更しましょう。これらは現在でも入手可能ですよ。ただし、雨の日には注意してください。1回目のブレーキングは100%カックンブレーキになり、必ずロックします。その後は落ち着きますが……。そしてこれらのブレーキでサーキットを周回したとすると、7?8周くらいからブレーキレバーがどんどん手前になり、フェード現象が起きてきます。これは摩擦熱によるものなので、少し冷めてくれれば、もとに戻りますが、やはりディスクブレーキが一番良いのでしょうか。

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次回は、エンジン内部のお話にしましょう。

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