VIRGIN TRIUMPH | いよいよ自分の好きな色を塗る工程へ 鈴木克直さんのコラム

いよいよ自分の好きな色を塗る工程へ

前回は、サフェーサーを塗ってたっぷりと乾燥時間をとりました。ここからは、色を塗る工程へと進んでいきます。

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まずは220番のペーパーでの水研ぎです。大きなストロークで、あまり力を入れずに研ぎます。元のペイントに色分けストライプなどが入っている場合は、切り返し部分の段差がないように手の感触で確かめながら研いでください。もし段差があるときは少し強めに研ぎます。当然そこは下地が出てきて、もう一度サフェーサーを塗ることになりますが、これを“やる”と“やらない”では大違いです。

ある程度スムースになってきたら、さらに400番のペーパーで研ぎます。角の部分はすぐに下地が出てきます。今回のような簡素ペイントでは、この後すぐに色を入れる工程に入っても良いのですが、もう一度サフェーサーを塗り、乾燥後に400番のペーパー、600番のペーパーと使い、表面をなめらかにしていってください。ここまでくると、下地としては完璧です。

ガソリンタンク、フェンダーなどに小さなヘコミがある場合は、室内灯を当てて斜めに見てください。いろいろな角度から見ると、ヘコミがよくわかります。より完璧にしたい人は、この上に黒を塗ります。乾燥後、同じように400番から600番のペーパーでサフェーサーが出てくるまで研ぎ、黒い部分が残っていればそこがヘコんでいるということです。デコボコやペーパー傷がよく見えてきます。それがなくなるまで研ぎます。

さらに、下地を落ち着かせるために白やグレーなど、余っているペイントでもかまわないので、一度塗ります。なんとなく白っぽくなれば、真っ白にしなくても良いです。

いよいよ自分で決めた色を塗るのですが、その前にシリコンオフで全体を拭きます。ガレージなど、作業スペースの関係でペイントするものの近くで油脂類のスプレーを使ってしまう場合がありますが、スプレーの油はびっくりするくらい四方八方に飛び散るので、近くでは絶対に使わないでください。念のために一度、二度と拭きましょう。油が少しでも付いていると、ポツンポツンと点が出てきます。これを「ハジク」と言いますが、もしこうなったら、研ぎ直さなければ治りません。

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色塗りには、注意しないといけない色があります。それは透明性が高い塗料と言われている紺、黄、緑、スカーレット系で、何回塗っても思った色にならないのです。これらは単色ではまず使いません。必ず多少なりとも黒系、白系の色が“かくし味”として入っています。わざと色を濁らせているのです。

現在の塗料は性能がものすごく良くなっています。一時代前の塗料は、白ベースに赤でストライプを入れると、切り返しの部分がピンクになりました。これを「ニジミ」と言います。現在では一部のキャンディ系の赤を除いて、ニジミはほとんどありません。

性能と言えば、特に良くなっているのがクリア系です。記憶に残っているのはドゥカティのシングルモデルで、通称『シルバーショットガン』と呼ばれているものがありました。1970年代初頭のことです。これは銀ラメ塗装で、下地にシルバーを塗り、乾かないうちに大粒のラメ(メタルフレークと呼ばれるアルミの粉)を振りかけるのです。表面はデコボコになり、面に対して突き刺さるようになっている状態のものが、よりギラギラとします。その上にクリアをどんどん塗り重ねて、ラメのデコボコを埋めていきます。塗装の厚みはものすごく厚くなり、塗っては研ぎ、塗っては研ぎをくり返します。当時のクリアは、何年かすると黄色っぽくなりました。ですから、当時モノのシルバーショットガンは、今となってはほとんどが薄いゴールドに見え、そしてヒビ割れています。現在のクリアはそうなりません。クリア系の進化はすごいです。

話を戻しましょう。自分の好きな色を塗るときは、角の部分から塗ります。全体を『3』塗ったら、角を『5』塗る感じです。ガソリンタンクは裏側、すなわち内側をたっぷりと塗ってください。表面はとても綺麗に塗れているのに、裏側はほとんど塗れていないなんてことがないように。バイクにセットしてしまうと見えなくなりますが、逆に裏側のほうが綺麗になるくらいに塗るのが良いです。こだわりのカスタムですからね。

ここまで塗れたら、前回と同様に、一度休んでたっぷりと乾燥させてください。最低でも1週間は放っておきましょう。

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