VIRGIN TRIUMPH | 番外編 1-1 ベスト・オブ・バイクのデイトナ675Rをついに手に入れた 立花 啓毅さんのコラム

番外編 1-1 ベスト・オブ・バイクのデイトナ675Rをついに手に入れた

  • 掲載日/2015年09月04日
  • 文/立花 啓毅(商品開発コンサルタント)

もう何年も前になるが、最優秀バイクを選ぶ審査員を務めたことがある。いわゆる今年の『ベスト・オブ・バイク』を決めようという催しだ。

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会場の富士スピードウェイに行くと、その年に発表された全てのバイクが揃い、すでに審査員も集まっていた。なかには現役のレーシングライダーも何人かおられた。

並んだバイクはヤマハYZF-R1、ホンダCBR1000、ドゥカティ999、アプリリアRSV4、KTM RC8、ハーレー…そしてデイトナ675を含むトライアンフ勢だ。それは壮観な眺めだった。

評価は富士のショートサーキットと連絡路の両方で行うが、どうしてもサーキットのウエイトが高くなる。そうなるとR1に軍配が上がる。R1は単に高性能というだけでなく、不等間隔のクランクといい、緻密に作り込まれた良さが際立っている。

次に999に跨ると、単気筒並のスリムな車体と、トラクションの高そうなトルクフルなエンジン。特に真紅が似合うデザインは秀逸で「欲しい!」と思わせる魅力にあふれている。ちょっと気になるのが、ハンドルまでの距離がやや遠いことだ。これでも前モデルに比べて30mm短縮され、1198ではさらに30mm縮まったという。

用意された20数台のバイクを全て試乗した。そのなかでもっとも魅力的バイクを選ぶのだ。しかし、そう簡単ではない。

私の評価基準は“人馬一体の心地よさ”があることと“野獣的快楽”が備わっていることだ。そういった眼で見ると一気に的が絞られ、デイトナ675とドゥカティ999、それともう1台、KTM RC8の3台になった。

人馬一体を感じる最大の要素は、コンパクトで乗りやすいだけでなく、気筒数が少ないことだ。4気筒の場合、いくら車体を軽量化しても、クランクのイナーシャーの影響で小気味よいフットワークを得にくい。

以前、CBR400RRのレーサーを徹底的に軽量化して130kgまで下げたが、クランクのイナーシャーが大きく、最後まで小気味よい回頭性が得られなかった。デイトナ675は3気筒のため、クランクのイナーシャーがさほど大きくない。また車体がスリムで、ハンドルが近いこともいい。

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モトGPを見てもお判りのように、最近のライダーは思いっきり前に座り、肘を大きく曲げてハンドルを持っている。その方が反応が早く、力が入るからだ。それはクルマも同様だ。

いざデイトナ675でコースインすると、エンジンは弾けるようなパンチがあり、ガンガン行ける。恐らくこのコースでは1番速いと思った。スライドさせながらコーナーに侵入し、リアを流しながらフロントを上げて猛ダッシュする…そんな出来もしないシーンが浮かぶほど、気分だけはガンガンになった。実際には、私の横をトップライダーがいとも簡単に抜いていくのだが…。

それからというもの、この3台がずーっと気になり、どれを買おうかと悩む日が続いた。

RC8はもっとも野獣的快楽が高く魅力的だが、いざ購入するとなると、デザインが荒く、傍に置くにはふさわしくない、という理由で早々に候補から落ちた。

ぐずぐず悩んでいる間にドゥカティは1198から1199パニガーレへ進化し、MVアグスタからは3気筒の675が発表された。

パニガーレは財布的に厳しいだけでなく、あの複雑な構造にはちょっと「?」が付いた。また太すぎるタイヤも私のコントロール外だ。

一方、MVアグスタのF3 675を試乗してみると、低速トルクがあまりに薄く、使い物にならない。800が出たので「これならば!」とその気になったが、ガチャガチャといったエンジンノイズとヒューンというギアノイズがハンパではなく、今にも壊れそうな気がした。いくら芸術的なデザインで右脳が欲しい欲しいとダダをこねても、冷静な左脳がブレーキを掛けてしまう。

そうこうするうちにデイトナ675がフルモデルチェンジを行った。早速チェックしてみると、これがまた、なかなか濃い内容ではないか。特に「R」がいい。ちょっとデザインが好みではないが、誰がなんと言おうとこれしかない。

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ついにデイトナ675Rに決定! 納車はトライアンフ東京みなと。ここはクラシックバイクで有名なブリティッシュビートと併設されているため安心できる。また社長の鈴木さんとは、タイムトンネルを含め何十年ものお付き合いだ。

私にとって、このデイトナ675Rは103台目にあたる。103台の内訳はクルマとバイクがほぼ半々で、いずれも英国車が多い。

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次回は箱根あたりで足慣らしをし、そのインプレッションをお届けしたい。

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